野池101−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/05/14
気象・野池状況 |
|
天候 |
快晴 |
最高気温 |
22℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
19℃ |
水質 |
悪 |
basstank釣行記−2008/05/14−18:00〜19:00
出張を終え、平日の夕刻、向かうのは…河口近い大規模貯水池。
県下でも、超メジャーフィールドの一つ。
魚種は海水系も混ざり、漁業も盛んで、様々な釣りが楽しめる場所である。もちろん、ブラックバスもモンスター級が多く潜むという。
仕事終わりに、大人気フィールドで陸っぱり。贅沢な時間を過ごすことにした。
フィールドに到着すると…その水質の悪さに愕然とする。
…これは…やばいだろ…。
濁りも強いが、気になるのはその「異臭」である。鼻が良い訳ではない。強烈な匂いが辺りを立ちこめ、鼻を曲げる。
…巨ベラの死骸だろうか、至る所で魚の死骸が確認できる。
また、水草も多い。養分過多になっているのだろう…お世辞にも、綺麗なフィールドとは言えない。
『生活排水』
頭に浮かぶのは、人間の愚行である。私も含め、人間の垂れ流し過ぎた排水の中で、何の罪も無い魚達は生きているのである。
『大変申し訳ない』
環境汚染が進んでいるという現実を身近に感じる瞬間である。
が、ここで環境問題を語っても、私には荷が重過ぎる問題である。
釣りを愛する者として、できることは…
「魚の生きる環境を美しく保つために、出来る限りのことを日常生活でも気を付ける」
ということだろうか。
『生活排水を、家庭単位でできるだけ抑える。』
今夜の夕食から、気をつけたい…。
さて、気を取り直しロッドを手にする。もちろん、所持するのはロッド一本のみ。ただし、服装はスーツの上着を脱いだだけの格好。首元にはネクタイが絞められている。
フィールドの状況を確認した後、選択したのは…ラバージグ(3/8oz)である。
広大なフィールドを前に、スピナーベイトやプラグを投げたくなるが、ここは我慢。とにかく、バスを手にしたい!
ラバージグを選択する理由は、まずはウィードを切りたいということである。
このフィールドは、水面上でも多くの水草類を確認できるという状況である。水中も、水草の根で埋め尽くされているだろう。したがって、この水草を切りつつ、しっかりとアピールできるルアーが必要である。
ラバージグは、水草のすり抜けが良く、水草攻略にも相性がよい。
また、濁りも強い。よって、シルエットも大きなものが良いだろう。できれば、ラトルなど音を発生させるような機構もあればさらに良い。
そして、何より、私はラバージグが大好きである。
以上の理由から、ラバージグを選択した。スカートはシリコン製、トレーラは…もちろん、バイズクローである。
…岸のラインに対し、斜め45度方向にラバージグを放っていく。
ロッドアクション動画
(wmv形式:20秒 容量2MB)
基本アクションは、甲殻類の演出である。ジグを底から跳ね上げ、段階的にフォールさせるというもの。
ただし、今回はウィードを切り、それらの隙間をすり抜けさせなければならない。少し強めにしゃくり、ウィードの感触を確認しつつ、水草に絡まる寸前でアクションさせていく。
ウィードとウィードの境目では、ポーズを入れる。ウィードに引っ掛かりつつも、それらを引き離し、着地する甲殻類をイメージする。
ここは、陸っぱりスペースも多い。フィールドのほぼ全周、陸っぱり可能だ。歩きつつ、ラバージグを放っていく。
どうやら陸っぱりで届く範囲は、1〜2m以深の浅いエリアのようだ。
それに、やはりウィードが濃い。油断していると、すぐにラバージグへ水草が絡む。とてもプラグ類を投げれた状態ではない。
テキサスかノーシンカーへ変更か…いや、この水質ではシルエットの大きさを落としたくない。
それに、ルアー変更のために車まで戻りたくない…。これが一番の理由だったかもしれないが。
ラバージグでの一本を信じ、引き続き放って行く。
歩く先は、水質の良い方、水の流れのある方である。おそらくこの水では、場所によっては極端な酸素不足に陥っているであろう。
湖流も見ながら、できるだけ条件の良さそうなポイントを探っていく。
…そして日没前、ようやく反応が!
それは、ラバージグのフォール中だった。
フォールさせ、ジグの着底を待っていたとき…
『ゴンゴンゴンッ』
はっきりとロッドが叩かれる…バイトだっ!!
瞬間、アワせる!!
私がバスフィッシングをしている時、最も強くアワせるのは、この瞬間である。…最高の瞬間である。
ズドンっと重たい引きがグリップから伝わってくる…これは、いいサイズ!!
定期的にやってくる重い引きの中へ、時折、タックルを破壊しそうな強烈なダッシュが混ざる。
楽しい…。
そして、バスの姿が見え、一度ターンさせた後、水中からブッコ抜く。
でかっ!!
50?…はギリギリなさそうだが、いいサイズである。
産卵後、深場を離れ、ベイトを追い始めたばかりの個体だろう。
お腹は少し痩せているが、尾びれは傷つき、おしりの部分が赤くなっていることからも確認できる。
しかし…いいバスである。
水質のせいか、体の色のコントラストは強くないが、立派な体である。
特に、その拳が入りそうな巨大な口に存在する、「歯」の鋭さに驚かされる。これほど鋭い歯を持ったバスに、そう出会えることはない。
それほど甲殻類が豊富なのだろう。おそらくタニシなど、「貝」類も餌となっているのではないだろうか。
堅いものを主に食べているからこそ、このような鋭い歯を持つことになったのだろう。
また、不思議なことに、バス特有のあの匂いがほとんどしないのである。
山上湖のバスは、ほとんど匂わないということはあるが、河口付近のこのフィールドで?どういうことだろうか…。
疑問が残りつつも、大満足の一本!
そして、もう一本!…と意気込みつつ、キャストした瞬間…
トレーラーが、彼方へ飛んでいってしまった…。
ふと、気付くと、綺麗な夕日が眼に入る。…そろそろ、終わりにしようか。
トレーラーのないラバージグを数投してみるが、ロッドを握る手も、少し元気がない。トレーラーくらい、ポケットに突っ込んでくればよかったか…。
帰り際、ノートレーラーのラバージグを放ち、ドラッキングしながら歩いて戻る。
と、あるものが、切なく足を止める。
「ゴミ」である。
ラインにペットボトル、吸殻…手の届く範囲で拾っていく。
水の汚染も避けられる問題だが、この『釣り人によるゴミ放置』だけは許せない。
ゴミを持ち帰れないなら、釣りを楽しまないでもらいたい。たとえ、他人のゴミだとしても、持ち帰ろうと努めてほしい。
ルアーが枝に引っ掛かり紛失した。水中で根がかりし、ラインごと切れ沈んでいった。大物がヒットしたが、フックごとラインブレイク。…できるだけ気を付けていても、釣りという趣味は、必ずしも環境に易しいとは言えない。
私自身の存在も、魚の住む環境にとっては、「悪」の何ものでもないだろう。
しかし、「拾えるゴミなのに放置する」ということは、また異なる次元の話ではないだろうか。
釣りが好きなら、どうして自分の首を絞めるようなことをする?
釣り人は、自分ひとりではない。漁業を営む人、周辺に住んでいる人もいる。自分ひとりが、一瞬だけ、魚を手に出来ればそれで良いのか?
そこには、水、土、魚、鳥、人がいるのだ。
グッドサイズの余韻はすぐに消去され、溜め息混じりの帰り道となった。
[フィッシング動画]
バス& 野池画像−野池101−photo gallary
バス画像−野池101
野池画像−野池101