野池114−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/07/14
気象・野池状況 |
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天候 |
晴れ時々雷雨 |
最高気温 |
35℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
32℃ |
水質 |
少濁 |
basstank釣行記−2008/07/14−14:30〜19:00
午後の時間、向かったのは大人気の小規模ダム湖。
平日の午後2時過ぎ。フィールドには私しかいないようだ。
ここは、アベレージ35cm。魚の活性も一年を通して高く、冬でも釣果が望めるフィールドである。もちろん、多くの大型バスも潜んでいる。
そして、フィールドの特性か、釣り人が多いにも関わらずバスにスレている様子はなく、初心者でも大いに楽しめる場所でもある。
今日はどのような釣りができるか…。
出航準備を終えたのは、午後2時半。燃え盛る太陽から容赦なく注がれる光を、湖面越しに浴びながら汗を拭く。
…ふと顔を上げると、真っ青な青空に似つかわしくない巨大な雲が、到着以来成長し続けている。
「一雨来るか…」
夕立の不安を抱きつつの出航となった。
まずは、虫系ルアーでサーチ開始。今回使用しているのは、ティムコの「アイバムシ」である。
今シーズンは、虫ルアーも楽しみたい。とりあえず、目に映るカバー下へ撃ち込んで行く。
…虫系ルアーを上手く扱うには、いくつかのポイントがあるという。
その中でも特に大切なのは、「ロングポーズ」と「日差し」である。
虫系ルアーをキャストした後、多くのバサーはすぐに動かしてしまう傾向にある。本来、蝉やカナブン、トンボなどの虫は、着水後すぐに動き始めるということはあまりない。また、水面に落ちたからといって、ひたすら動き続ける虫も少ない。したがって、これらの虫をリアルに演じようとするなら、基本アクションはポーズ。特に着水後は、10秒以上のロングポーズを取ることが理想であろう。
また、水面における「シェイク」も撒き餌感覚で使用すると良いようだ。水面に波紋を発生させることで、遠くにいるバスの注意を惹き、ルアーの存在を知らせ、寄せる。ただし、基本アクションはポーズであり、シェイクすればするほど良いという訳ではない。あくまでも、喰わせるためのシェイクではなく、「寄せる」ためのシェイクだと理解すれば、釣果にも差が出るだろう。
そして、虫系ルアーを使用するときには、「日差し」にも注目したい。
これは、虫系ルアーが水中へ落とす「影」が一つのポイントとなるからである。
バスが虫系ルアーの存在を知るための手段としては、「姿」「音」「波」などが考えられるが、「影」も重要な手段となる。つまり、虫系ルアーが落とす「影」を頼りに、その存在を知るバスも多いはずである。
水面からは距離のある位置、しかもカバーの中。そのようなところに潜むバスにとって、ルアーの落とす「影」は、捕食対象が存在していると確認する重要なサインとなるのである。 もちろん、影の伸びる方向にも注意したい。光が当たり、影が落ちる位置は、カバーの奥ほど威力を発揮する。
「日差し」を意識する必要があるのは、「影」を支配するためである。
と…偉そうに戯言を述べてきたが、水面に変化は無い。
ふと空を見上げると、青空は探しても見つからない。入道雲がドス黒く変色し、空を埋め尽くし始めている…まずい。
どうやら表層に対する活性は低いようだ。ここで、ルアーチェンジ。自作シャロークランクベイトへとルアーを変える。
実は、今回の釣行の大きな目的は、このクランクベイトの試釣である。最近の自信作、フィールドでテストしたいという願いが今叶う。
カラーリングは、「ブラック&ピンクのタイガー」。どのような水質でも扱えるということを念頭に施したものだ。そして、内部には空洞を設け、シンカーが自由に動くようにしている。これにより、重心移動とラトル効果双方を装備することが可能となっている。
また、基本材料は、「木」。ウッドルアーである。したがって、キャスト性能も抜群である。
『ビューン』
気持ちよく飛んで行き、カバー奥へ突き刺さっていく。
リトリーブした感覚の第一印象は…「激しい」である。
最大深度は1mほど。そして、とにかく早いピッチで大きなウォブリング。180°以上はあろうかという角度で左右に頭を振りながら、軽快に、大きく、元気に泳いでいる。ストップ後のアクション始動時にもストレスは無い。立ち上がりも問題ないようだ。
…進行方向が多少曲がっているようだが…すぐにラインアイの角度を調整し、その方向を補正する。
「これは…使える!」
自作自演のインプレだが、我ながら満足の行く作品になったようだ。
と、クランクでの一本を意気込んでいたのだが、とうとう大きな入道雲達は激しい雷とともに涙を流し始めた。
…至急、車へ非難する。
爆音が車の中にも鈍く響く。…次第に、光と音の間隔が短くなっているようだ。…近い。
『ガラガラッ!!ゴロゴロッ!!』
鉄の塊に保護されているといっても、恐怖を抱く。見たことの無いほどの豪雨が水面を叩いている。
「こんな日に限って…」
救いの雨となるかもしれないこの状況を、今は恨む。…はぁ。
幸いにも雷雨が長引くことはなかったが、結局1時間ほどの足止め。時刻は午後5時半をまわっていた。
雷は未だ遠くで響いているが…再び湖面へ。
状況を確認すると、豪雨に伴う水量増加のため、新たな流れ込みが多数増えていた。と同時に、強い濁りが、薄緑の水を侵略しつつあった。
濁りとの境界線。バイブレーションか、スピナーベイトがおもしろいか…。
いやいや、ここはやはりトップ!
雨上がり、バックウォーターの流れ込み。ここで喰わせなければどこで出る?たとえ出なくとも、後悔は無い。
ここは出るだろっ!というラインを、テンポの速いドッグウォークで次々に引いていく。
「来るかっ?さぁ来るかっ??」
ドキドキ、ワクワクの時間開始である。
左右に波を作りながら、ペンシルは無防備に水面を進む。…が、
「ダメか…」
水面が激しく割られることを期待しつつも、諦めの気持ちは抑えられない。はぁ。
残念。…トップには出ないか。
今日はやはり新作クランクメインで楽しもう。もし出なくとも言い訳にはなる。「どうせ試釣だから…」と。
雨上がりの湖面。…風も無い。非常に良い雰囲気である。
午後6時半。時刻も最高。
よっし。
とりあえず、バスの付いていそうなポイントへクランクベイトを落としていく。
着水後、少し早めのリトリーブ。…1秒間に3巻きほどのペースでスピーディに泳がしていく。
規則正しく振動するロッドの先端、グリップから伝わる一定のリズムに全神経を集中させる。
…
『ブルルルッ!!』
!!…バイトだっ!
単調で小刻みな振動を遮り、ワンテンポ遅くランダムな振動がロッドを支配する。…やった!
この時間帯にてようやく初ヒット。バラすまいと、少し焦りながらラインを手繰る。
…!!
…何も言うまい。サイズはどうであれ、とにかく嬉しい一本である。フックもしっかりと前後両掛かり。
改善点の見つからない一本。
…フックを丁寧に外し、リリース。子バスは元気良く水を散らしながら、水中へ消えていった。
ふうっ。
さて…ここはいいエリアのようだ。
取水塔から伸びる階段と手スリ、水の流れもある場所。先ほどのバスは、手スリの左側のカバーから出てきた。
理想的なストラクチャーと水の動き。ベイトとバス、どちらにとっても良い条件が重なっているはずだ。
先ほどより少し右側…手スリと水面の隙間へクランクを放つ。
『ポチャ』
着水後、すぐにリトリーブを始める。早めのリトリーブ。
と、すぐに反応が!
『モコッ』…水面が軽く盛り上がる。
潜行を始めたばかりのクランクが、何者かに水面付近で襲撃される。…直後に襲ってくる強い引き。
出たっ!!
…よっし、いいサイズ。明らかに先ほどのバスよりは重みが違う…重い!
『ババッシャ!』
バスが命の火を削るようなライズを繰り返す。
…ん?…クランクが…ん?…見えない?
まさか…。やっぱり!
一瞬抱いた疑問は、バスのアゴを掴むときには解決していた。
やった、サイズアップ!そして…
まさに丸飲み。小ぶりなクランクがパックリと、決して大きくはないバスの口に納まっている。
その愛くるしい光景に、私も思わず笑顔になる。
もちろん、フックを外すことには大いに苦労することになるのだが…。
バスにとってはとんだ災難だっだろうが、私にとってはこれ以上望むことはない試釣となった。
この後、間も無く日没を迎え、タイムアップ。決して大釣りという釣果ではなかったが、内容としてはこの上ない最高の釣行となった。
…自作ルアーの楽しみ、ここに極まるということだろうか。
市販のハードルアーで手にするバスも格別の喜びを与えてくれるが、自作ルアーはその比ではない。
それがたとえ、ビッグベイトだろうがレギュラーサイズのルアーだろうが関係ない。
自分の作った「道具」で手にする魚。
その感動を知ってしまっては、到底釣りから離れることは出来ない。
[フィッシング動画]
バス& 野池画像−野池114−photo gallary
バス画像−野池114
野池画像−野池114