野池120−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/09/20
気象・野池状況 |
|
天候 |
晴れ |
最高気温 |
30℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
26℃ |
水質 |
中濁 |
basstank釣行記−2008/09/20−8:30〜17:00
午前8時、小規模ダムへ到着。
天候は快晴、午後には気温が30℃まで上がるという。
『ミーン、ミーン、ミン、ミン、ミーン』
9月に入り、10月も目の前というこの時期に、何なんだ…このサウンドは。 無限ループに陥った、蝉の大合唱が聞こえてくる。
そして頭上には、輪郭が明確で分厚そうな雲が存在しており、全く夏の雰囲気そのままである。
しかも、減水傾向。この夏は、例年に比べ大きく降水量が下回っていると聞いていたが、確かにこの時期でも、ほとんどの水系のダムでは未だに減水状態にあるようだ。
台風も来ていない…。10月を前に、一人の釣り人として、一定の降水量を期待したい。
水の様子を確認し、少し元気がなくなりつつあったが…久しぶりの出航。準備を急ぐ。
「暑い…」
湖上へ出たときには、真夏同様、やはり汗だくになっていた。
さて、最上流部より下流へ向け流していく。岸は、フィールドの南側である。
午前8時半。これから、陽の角度は垂直へ近づくものと思われるが、まだ南側には影が残る。
水温は25℃。良い水温を育む時期になってきた。決してベストな時間帯ではないが、トップでの一本を期待してみたい。
キャストするのは、先日入手した「ゼンマイ式ルアー」である。
ゼンマイ式ルアーは数多く存在しているが、このルアーはその「足」が可動する。口元からワイヤーが出ており、内部ではゼンマイと繋がっている。つまり、そのワイヤーにラインを結びつけ、ラインを引っ張るとゼンマイが巻かれ、足が動く。動きが止まったら、ラインを強く引っ張れば再びネジは巻かれ動き出す。
つまり、ポッパーのスプラッシュアクションに近い形で、足が動く→止まる→スプラッシュ→再び動く というアクションを再現できる。
見ているだけで楽しい。操るだけで楽しい。素晴らしいルアーである。
「…出てくれないかな」
淡い期待を抱きつつも、本気でアクションさせ始める。
「カタカタカタッ…ボンッ…カタカタカタカタカタッ…ボンッ…」
強く引きながら、同時にゼンマイを巻く。そして、足が細かく振動する光景を楽しむ。
そして間も無く…
『ボンッ!!』
出たッ!!
日陰。特に目立った障害物は無く、岸際から3mほど、ほとんどオープンな場所。…足は完全に止まり、ポーズ。バイトはその3秒ほど静止していたときだった。
やったっ!!来たっ!!…とにかく、嬉しい。夢中でバスを手繰る。
30cmUP!!
やった!本当に嬉しいバスである。
…今日はいい。この暑さは水の中以外の話なのであろう。水の中は…もう秋なのだろうか。バスも元気一杯の様子である。
今日は楽しい日になりそうだ。釣行開始直後のバスに、さっそく気を良くする。
しかも、トップ。ゼンマイ式というセコセコルアーだろうが、ヒットすればその嬉しさは、普通のルアー以上である。
…が、これ以上このルアーでバスを狙っても顰蹙を買いそうである。
すぐにルアーチェンジする。
続いては、シャロークランクベイト。
表層近くを高速引きにて狙ってみる。水温は26℃と上昇しつつあるが、9月中旬、そろそろ元気にベイトを追うバスがいてもおかしくない。
この減水でカバーは皆無だが、岸際に落としながら、バイトを待つ。
そろそろ…秋の気配。クランクの季節と言われるが、本当に待ち遠しい。
この陽気と水温、決して夏は過ぎ去っていない様子だが…期待したい。
ダムサイトへ向かいながら、テンポ良くクランクを放っていく。
…
そして、反応がないまま、最下流部が視界に入ってきた。
さて、困ったな。…やはり、まだ夏を引きずっているのだろうか。そう甘くはないのか…。
ここでルアーチェンジ。13インチキンクーのヘビータンクリグ、ヘビタンへと装備を変える。
表層から中層の追い喰いは期待が薄い。水の色は決して良くない。カバーもない。…シルエットが大きく、波動もほしい。当然、大きなバスを狙いたい。
そして、ワクワクしたい。
それが最大の理由だが、これまた夢一杯のリグである。
使用タックルは、ヘビーベイトロッド、フロロ16ポンド。オーバーパワーな気もするが、ヒットしてくるバスと、その状況は計り知れない。
一投一投、緊張感が走る。
基本アクションはスロー。小刻みシェイク等は入れず、ゆっくりとズル引き、あるいはリフト&フォールで誘う。フォール、ポーズ中にバイトが集中することを肝に銘じ、慎重にロッドとハンドルを操作していく。
と、程なくバイトは発生。やはり、底から50cmほど離した後のフォール中であった。
『コンッ!』
太目のラインが強く叩かれる。来たッ!!…一気にテンションが振り切れ、無意識に大アワセを入れてしまう。
『フッ』
一瞬魚の感触を味わった直後、その感触は消えてしまった。…外れたか。無理も無い。このワームサイズ…普通のバスならば、フック部分を噛ませるだけでも難しい。
だが、反応はあった。…釣れる!この一連の出来事で、すっかりこのリグの虜になってしまった。この昂る感情を抑えるには、キャストしかない。
そして期待通り、ほぼ同じ場所にて二回目のバイトが発生。…よっし!今度は乗った!!
…が、…ん?…そうでもない?
それほどの重量感を感じることなく…バスは姿を現した。
よっし!…次行こう、次。
まぁ、珍しくは無い光景である。ワームサイズ以下のバス。このような奇跡が起きるのも、ビッグサイズのワームならではの楽しみではある。
「はぁ」
期待していただけに、落胆も大きい。
んー、どうだろうか。秋の状況と言ってよいのだろうか…バスが散っているとも思えないし、積極的にベイトを追っているとも思えない。
難しい時期ということか。判断を誤れば、惨敗を覚悟しなければならないかもしれない。
このままヘビタンを投げ、ビッグワンを追い求めても良いが…
次第に反応がなくなってきた。ここで少し気分転換。
垂直に落ちるコンクリート壁を、ラバージグで騒がしてみることにした。
エバーグリーンの1/2ozキャスティングジグに、ゲーリーヤマモトの5インチシュリンプという組み合わせである。ちなみに、周辺の障害物は少ないということで、ブラシは短くカットしている。
5インチシュリンプは手長エビを模したということだが…手長エビは水中を泳ぎまわるという特徴も持っている。このフィールドに手長エビがいるとは断言できないが、この仕掛けでフォールやスイミングで誘っても面白いだろう。
コンクリート壁にジグを当て、そのまま壁沿いにフォールさせる。ただし、ラインを送り込むことなく、カーブフォールで。
次第に張っていくラインを見送る。
…
『グンッ!!』
水深は8m〜10m…結構な深さだ。しかし、明らかなバイト。
しっかりと弛みを巻き取り、フルパワーでフッキングさせる。…乗った!!
おぉ〜、いいファイト!!元気良くロッドを弄ぶ。
…が、やはり求めるような重みはない。そして、間も無くバスは現われた。
…30cmを少し越えたところか。まずまずのサイズである。
こんなところにもいたか…ベイトに付いていたことも考えられるが、普段からここに居場所を定めている訳ではないだろう。
秋口の特徴だろうか、バスがかなり散っているようだ。…これまた嬉しい兆しである。
今日は…楽しい!相当楽しい!!
夏を引きずったフィールド。しかし、中層を追い喰いしてくるほどの活性ではないが、コンディションはかなり良い様子。
こうなれば、釣りの幅も広がる。
ここからは…ディープクランク!
お気に入り、ティムコのマッドペッパーである。
個人的に、超名作ルアーの一つだと確信している。このマッドペッパーは、スローに引いてもしっかりとアクションする。特に、底で障害物へ当たりそれを乗り越える際に発生するローリングの様子は、賞賛に値するだろう。これほど綺麗に泳ぐクランクはそうそうない。
引き抵抗は大きいが、その負担もタックル次第でいくらでもカバーできる。理想的には、ラインはフロロ14lb以上、リールのギヤ比は5、ロッドはミディアムヘビー以上でディップが柔らか目のものが良いだろう。
ワーミングでは明らかに反応が悪いというときには、クランクベイト。ここからその真価が問われる。
狙うは岬の尾根や、岩などで構成される固い地層である。
ベイトも集まり易いこれらのエリアにおいて、底を叩きながらリアクションで喰わせるという鉄板パターン。表層〜中層では出にくい状況、岸際には付いていない状況、また、冬場でも非常に有効な方法である。
基本はロングキャストからのただ巻き。…バイトを追う。
『ゴツゴツゴツ…』
このフィールドは幸いにも硬い地層が多い。したがって、どのコースを引いても心地よい感触が伝わってくる。時折底を離れるが、ロッド先端を上下させればすぐに底を捕まえる。
『…ゴッ!!』
バイトだッ!!
ボトムを捉える感触とは明らかに違うものが、グリップを支配する。
『グングンッ!』
深みから元気に抵抗するバスの様子が伺える…楽しいっ!
やった!…30cm弱といったところか。
アベレージサイズだが、やはりクランクで手にするバスには特別な感情を抱いてしまう。 …嬉しい。
そして、フッキングの様子も満足なものに。フロントフックにフッキングしているということは、バスはルアーを真横から襲ったのだろう。ボトムノックからのイレギュラーなアクションに激しく魅了された証である。
狙い通りの一本。
今日は本当に良い。釣行日和、バスが釣れればさらに空気が賑う。
…さて、このパターンはまだまだ使えそうだ。できればサイズアップも狙いたいが果たして…。
先ほどと同じく、底を求めクランクを放っていく。
『ゴツゴツッ』
この感触が突如、魚のバイトへと変化する。…なんと楽しい釣りだろうか。 ワーミングも最高に楽しいが、クランクマキマキも負けず楽しい。
距離を置き、岸際へキャスト。足元までの半放物線状の底を、ロッドを徐々に下げながら常に捉えるよう努めていく。
『ゴツゴツッ』
…
『フッ』
ルアーの潜行深度よりも、深くなったようだ。水深は4〜5mだろう。…『ブリブリブリ…』水の抵抗を受けながら何も無い空間を泳ぐクランク。そのスピードは決して速くない。
『ガンッ!!』
再びディップが激しく叩かれる。バイトだっ!!
底を離れ、暢気に泳ぐクランクがバスに襲われた。ロッドは、グーッと深く食い込んでいく。その重みに強くは反抗せず、優しく支えながらラインを巻く。
のった!
…重っ!!ディープクランクの巨大リップも水を掴んでいるのだろうが、明らかにいいサイズのバスだ。
『グングンッ!!』…バスが駆ける度に、ロッドが水中へ引きずり込まれる。最高に楽しい。
そして、2分ほどバスを走らせきった後、水面下に姿を現したところをブッコ抜く。
40cmUP!
待望のサイズアップである。…しかし、フッキングが危うい。クランクを追って捕らえたのだろうが、リアフックはバーブまで完全に刺さっていない。
…ライズし首を振られていれば、一発で外れていただろう。
このサイズが獲れれば、気持ちも落ち着く。…なんと楽しい日だろうか。
反応が高く、いろいろな釣りが楽しめる。これ以上ない釣行だ。
おそらくどのルアーを放ってもバイトは期待できるのだろうが…引き続きディープクランクを放っていく。これは完全に正解であろうと確信できる一本も現われてくれた。
さて…フィールドもそろそろ一周。一度、バックウォーター、港付近へ戻ることにした。
…底を捉え始めるまでは高速リトリーブ、その後は一秒に一巻き程度だろうか…スローに誘っていく。と、間も無くバイトが。
やはり、正解か。そして、ディープクランクの爆発か…ほとんど入れ喰いである。
一本追加、25cmほど。サイズは大きくないが、フッキングの様子はまさに理想的である。
追い喰いからの抵抗によりフロントも引っ掛かったか、喰い散らかした後リアも引っ掛かったか…想像するだけでも嬉しい。
時刻は午前11時半。…まだまだ!これから一体いくら楽しめば良いというのか…。
余裕の釣果にすっかり満足し、早めに昼食を取ることにした。
フィールドへ向かう途中、どうしても気になっていることがあった。それは…ガソリンの残量である。完全に無いに等しい。
明らかに帰り道を戻りきれる量は無い。かといって、釣行後に付近のガソリンスタンドが開いている確証もない。そもそも近くにスタンドがあるかも疑わしい。不安になりつつ…ナビで検索をかける。
!!…あった!!ここから5kmの位置。よっし!少し迷ったが、まだ正午前…行くしかない。ド田舎というロケーションだが、これは神が味方している。
タックル類はそのままにし、車を走らせる。「すぐ戻ってこれる…」と、その時は考えていた。
…間も無くスタンドが見え、ほっと胸を撫で下ろす。
しかし…
うおっ!!…閉まっている。「今週土曜は営業しておりません」と、殺風景な張り紙が目に入ってくる。強い憤りを感じつつも、残量メーターはほぼ「0」を指したまま動かない。…やばい。
次のスタンドまでは7kmほど行かなければならない。しかし、この田舎道…アップダウンの多い道中、いつエンストするかという恐怖と戦わなければならない。しかもこの状況、次のスタンドも開いているとは限らない。
…エアコンを切ったまま、上り坂ではトロトロ運転、後続車に迷惑をかけながら次のスタンドへ向かう。
発見!…やった!今度は営業しているようだ…小規模ながら。そのスタンドに一つだけある給油機の横へ、ワクワクしながら車をつける。ん?…いま不吉なステッカーが見えたような気がしたが。
「いらっしゃいませ」、店員さんが声をかけてくる。「ハイオクってあります?」「…申し訳ありません、当店はレギュラーのみ扱ってるんです」「はあ」「大変申し訳ありません」「はあ」
あなたが悪いのではないよ。決して悪いのではないよ。悪いのは全て私。…しかし、この怒りをどこにぶつければ良いのか。客の理不尽な振る舞いを喰らった店員さんを後にする。
JAFのお世話になるのか?その辺りの民家のお世話になるのか?…ヒッチハイクか?
最高のマイナス思考を発揮しながら、その時を迎える心の準備をしていた。
2つ目のスタンドから車を走らせること5km。幸いにもエンストすることなく…新たなスタンドが見えてきた。…小規模だが、給油機は2つある様だ。しかも…油種も豊富な様子。
「ありますよ」
店員さんのその言葉にどれほど感謝したか。どれほど感動したか、安堵したか。
2つ目のスタンドの店員さん、ごめんなさい。3つ目のスタンドの店員さん、ありがとう。1つ目のスタンドの店員さん、がんばってください。
ダムへ戻る車中は、エアコン全開。額から目に入る汗も吹き飛ばすほどに。
フィールドへ戻り、再び湖上へ出たのは、午後1時過ぎ…。
大きな時間ロスとなってしまったが…まだまだ日は高い。
これから夕刻まで釣りきれると思うと、再びワクワクしてくる。…釣りの魅力はいったいどこからくるのだろうか。
飽きる気配は全くない。これからもそうだろう。
午前中のうちに釣りきってしまった感はあるが…様々な釣りにも挑戦したい。
プラグもいいが、ワーミングも楽しい…。
『コンッ!!』とアタる瞬間にアドレナリンは崩壊を始め、『ガンッ!!』とアワせた瞬間に一瞬、無になる。『グングン!!』と魚の存在を確認した後は、もうその流れを止めることはできない。
最高にエキサイティングな釣りである。
そして、ここまでの釣果からすると、これらのワームは決してオーバーサイズではないはず。
「午後はこれらで結果が出せれば…」
贅沢な考えを改めることもなく、ラインの様子を本気で見つめていく。
岸際は何処もバスが潜んでいそうな雰囲気。キャストする度に、バイトへ備える。さぁ、来い。
基本はスローか?それとも高速スイミングか?シェイクも混ぜるか?フォールとロングポーズか?
バスの好みを、出来る限りのアクションを放ちながら探っていく。
岩場を中心に、ディープまで落とし込んでいく。
…
しかし、求める反応はない。自分ではかなり丁寧な釣りをしたつもりである。
反応はない。
「ワームで獲れないバスをクランクで獲る」という言葉が頭を次第に支配していく。今日はクランク日和なのか。
『ガチャガチャ…』荒々しくロッドを探す。そして、クランクをセットしたロッドを手に取る。
そして、キャスト…
一本、二本。
立て続けに、驚くほどあっさりとバスが現われてくれた。
これほどクランクの威力を実感する場面は少ないだろう。どう考えてもクランクへの反応の方が抜群に良い。
検証するつもりはないが、スモラバや3インチセンコー等各種ライトリグも撃ってみる。…が、反応は薄い。
こんな日もあるのか…。
この後、クランク以外を手にする理由はなかった。
気持ちの良いヒットが続く。35cmUPもヒットするなど、このフィールドの良さを改めて知ることになる。
途中、S字系も放ってみる…すると、こちらも反応が良い様子。一度40cmUPと思われる魚に喰わせたが、これは残念。ライズによりバレてしまった。
それにしても…楽しい。
結局午後5時まで、高反応を楽しむことができた。
終盤、サイズアップを試み、悪あがきのビッグベイトを撃つが…不発に終わる。 …これ以上は望んではいけないか。
しかし、今日の釣りはいい勉強になった。…気のせいか、自身のクランキングの技術も向上したように思える。
陽の傾きが加速し始めた午後5時過ぎ、帰港。
そして、いつもの様に、ゴミ拾い。
愚かな釣り人が捨てたと思われる缶ビールの空き缶、ペットボトル、弁当殻。 …タバコの吸殻もゴミであるのだが、山の中なら捨てても良いと習ったのか?
「持ち帰れよ…」ブツブツ独り言を言いながら、持参のナイロン袋へ詰めていく。
…拾い終わり、帰宅準備が整ったのは午後6時半過ぎ。 周囲は真っ暗。でも…安心。
ガソリン満タンの車で帰路に着く。
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