野池121−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/09/22
気象・野池状況 |
|
天候 |
晴れ |
最高気温 |
30℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
28℃ |
水質 |
中濁 |
basstank釣行記−2008/09/22−13:00〜18:00
平日、午前中に仕事が終わり、午後からフィールドへ向かう。
今回のフィールドは、初釣行となる場所。全周700mほどの小規模野池である。
以前からその存在は知っており、下見も終えている。…他のバサーからは、「いいバスが出る」とのこと。
確かに、バスの気配はある。だが、アクセスも良く、駐車スペースも問題ない。
したがって、休日は多くのバサーで賑わう。そしてこの日、平日にも関わらず当然のように先行者の姿が。大人気フィールド…プレッシャーは相当高そうだ。
気温は…この時間帯にして30℃近くまで上昇している模様。水温も28℃と、先日の釣り場と状況は大きく異なっているようだ。
しかもこの日差し、カバー撃ちがメインになるか…。
積乱雲を今にも築きそうな元気一杯の雲が、真っ青な空を次々と横切っていく。
よっし、夕刻まで!なんとか結果を出せれば…。
久しぶりの新規開拓フィールドを前に、腕も鳴る。
まず、サーチベイトとして選んだのは…ビッグベイト。
この様な決して広くはないフィールドで、ビッグベイトを撃つ人は少ないだろう。
バスがあまり見たことのないルアーを撃ってみる。スレたフィールドにおけるサーチの基本である。
…野池の状況は、50cmほどの減水、濁り有り、ウィードが群生しているというもの。
特にこの天候ではカバーの薄いことが残念だが、倒木等攻め甲斐のあるシチュエーションが広がっている。しかも、濁りも多少入っている。今回は、最高レベルのプレッシャーという訳でもなさそうだ。
釣り人も多いのだろうが…出してやる。
水面へ突き出した枝、ウィードの切れ目…そしてそれらと、ビッグベイトの進行線を重ねることでリアクションを狙う。
ただ巻きやデッドスティッキングで出そうというような甘い考えはない。この季節、この時間帯でも攻めの姿勢を維持するよう努めたい。
倒木奥へ撃ち込み…木に触れるように、ロッドを操作…巻いてきて…当てる…イレギュラーなアクションを発生させる…そして、バイトを押さえ込む準備を整える。
…出そうな雰囲気が続く。
濁りの入った水質、いつバスが飛び出てくるかもわからない。ピンポイントを狙った後、水面に波紋を残すようにリトリーブ、足元まで集中を残すが…その波紋以外、水に目立った変化は起こらない。
「ふぅ、暑い…」
ビッグベイトを撃ちつつも、しばらく岸際をサイトで確認してみるが、バスの姿はない。…辛うじて、ビッグギルの姿は確認できたが、良型バスなど見えるはずもない。
バスの居所はどこか…。
ウィードエリア。このフィールドで多く見かける光景だが…
ここで、シャローにバスはいないと判断。このようなウィードが絡むシチュエーションか、それともディープか…。とにかくカバー下を狙っても、光明を見出すことはできないだろう。
グラブ系ワームとストレート系ワームのノーシンカーリグを中心に、ウィードの中を進んでいく。
時折、表層を引くこともあるが…出るはずもない。目視で確認できるポケットにも丁寧に送り込むが…出ない。
リアクション効果も求め、1/2ozシンカーを搭載したテキサスリグも放ってみる。狙うはポケット、あるいはウィードのド真ん中。フリッピングのように、落としては誘うという作業を繰り返す。
…しかし、バイトはない。果たして何処にいるのか?
難しい。…バス釣りは本当に難しい。
数撃てば当たる、輪切りすれば当たるという精神で、バイブレーションも引き倒すが…
ウィードの洗礼を浴び、あえなく撃沈。
この水質ならば、激しいラトル音と振動は武器になるはずなのだが。…残念。
ふぅ。このような厳しい状況はいくつも経験してきたが…今回も厳しい。しかも、初釣行のフィールド。何をすべきかという引き出しが、絶対的に少ない。
頼りになるのは、過去に培ってきた全てである。
…久しぶりのタンクリグ。ワームは水質に合わせピンクチャート。3インチヤマセンコーである。
すでに釣行開始から1時間ほどが経過。早くこのフィールドのバスに出会いたい。ボウズの匂いが香ってきただけに、すがる思いでタンクリグを放っていく。
「ここはいるだろ」
ウィードエリア以外にも、このフィールドには倒木ストラクチャーも多い。
バスのサイズは選べないかもしれないが、バスの存在に確証が持てる絶好ポイントである。 魚影も濃いはずだ…。
水中に沈む枝一本一本を、タンクリグで縫っていく。
と、3投目だっただろうか。待望の初バイトが!
『コンコンッ!!』
テンポの速いアタリだ。…ギルではないよな…待ってました!!枝の中から引き出すため、ロッドに重みを感じながら、バンザイをするようにアワせる。
…もちろん予想はされていたが、希望する重みはない。小さいか。
よっし!一本目!
かわいいサイズだが、嬉しい一本である。ここは素直に、タンクリグの功績を称えよう。
「ボウズノガレ」…海釣りの仕掛けでたしかそのような呼び名のものがあったが、タンクリグはバス釣りにおけるボウズノガレと言っても良いかもしれない。
…ふぅ。冷や汗混じりの汗を拭く。
まぁこの釣りで手にしても、そのバスの価値は決して高くないのかもしれない。しかし、やはりどのようなバスであろうとも嬉しさは同等である。しかも、初フィールドにおける初バス。私にとっては、メモリアルなバスとなった。
さて…一本を手にし、落ち着きを取り戻すと、挑戦したい釣りも増えてくる。
一昨日好調だった、ディープクランキング。そして、大型のバスは、付近のカバーやシャローには付いていないとの判断からの選択だ。
ディープまではウィードも生えていない状況。3〜6m前後のブレイクラインを掠めるように引いていこう。
野池の中流から下流へと移動し、それらしいラインを探す。
なかなか深いな…7f以上のロッドのガイド全てを水に入れながらリトリーブする。こうまでしないと、求める水深で底を捉えることができない。
『ゴツゴツ…』
やはりこの水深にはウィードはない。理想的な感覚を楽しむ。
『ゴツゴツ…』
「しばらく反応を探ってみるか…」
ここまでで、有効な釣りを見つけられた訳ではない。少しの可能性を信じ、クランクを放っていく。
…このフィールドの岸際は、ほとんどがこのような小石と砂とで構成された脆い地層である。
オーソドックスな野池といったところか…大きな変化のあるストラクチャーなどはない。
それでも、なるべく大きな石、色の薄い砂…これらを目標にバスの潜むポイントを推理していく。 まさに宝探し。ファイトの楽しさ、魚の大きさ、ルアーコレクション…それら以外にも様々な要因が、バス釣りの魅力となっている。
その後、クランクを引き続け…
…気づけば、午後4時半を過ぎようとしていた。
「そろそろタイムアップか…」
こんな日もあって良いではないか。半日釣りをして子バス一本のみ…誇らしい釣果ではないか。勝手のわからない場所でよく釣りきったよ。
心の中で、情けなく自分の肩に手を置く。
…野池も2週目に入り、一通り撃ち尽くした感がある。
残り時間も僅か…ここはもう、自分の信じるポイントへ向かうしかない。
今までいろいろなフィールドを勉強してきた。分かり易く簡単なフィールド、分りにくく難しいフィールド、様々なフィールドがあった。
ここは間違いなく簡単なフィールドではない。しかし、今まで経験してきたフィールドと共通する点が必ず何処かにあるはずだ。
…岸際の様子を注意深く観察する。
何処だ…小規模であっても、バスの好む湖流やストラクチャーは必ずある…。
と、やはり目に付くのは…岸際、砂と土が混じる中にも「岩」がゴロついているエリアである。 水底へ向かうその延長には、当然同様の状況が続いている可能性が高い。
確認のためかフィールドを見渡す…いや、ここしかない。
最高のポイントを、最高のリグで挑む。
フロリダリグ。…釣行も終盤に入り、次第にこのリグが頭を支配していった。本当にもうこのリグしか思いつかない。
自分の今最も自信のあるリグ。様々なバスをこのリグで獲ってきたが、これでもダメならもう白旗を揚げるしかない。
リグの着水は、ほとんどオープンエリア。岸からは10mほど離れ、水深は5〜6m。 岸際の水草群とも別れ、水とブレイクしか存在しないラインである。
そして、このラインにバスはいるはず…。可能性を信じ、野池を下りながら同水深を探っていく。
…
そう甘くはない。…よくわかっている。時間のみが刻々と過ぎていく。
アクションは、リフト&フォール、そして、ポーズ。厳しい時ほど、基本を大切に。ラインの様子、その先の様子、ロッドの感覚、それら全てに意識を集中させる。
ロッドを上げ、リグを泳がす…そして、落とす。…待つ。再び、泳がす…落とす…
!!
『スッ…』
着底かその直前か…ラインが微かに横へ走る。グリップに伝わる感覚は何もない。
喰ったっ…。
耳には何も入ってこない。全てが無になる。
2秒。それは、ラインが走り出し、フッキングを始動するまでの時間。
『ガッ!!』
…いいサイズ!アワせた瞬間に伝わる重量感と、爆発的ファイト。それはもう最高である。
『ババシャッ!!』
間も無くバスは水面を目指し…割る。激しいライズだ。
その姿を確認すると、なぜか足が震えてくる。ランディングに備え、膝をつくものの…足が震える。
その口へ手をかける瞬間も…震える。
「やった…やった…」言葉にならず、足はガクガク…。なんと情けない。
リグを飲み込んでしまっている。とりあえずフックを外すのが先だ…、プライヤーは?
慌しく…手も震え、フックを外すのにも苦労する。そして、改めてその魚体を確認すると…
よっしゃぁああ!!
嬉しさが爆発する。…最高のバスが現われてくれた。体のコンディションも、美しさも、今シーズンNo.1かもしれない。…ありがとう。本当にありがとう。
全てに感謝をせずにはいられないバス。
午後5時を過ぎた頃…想像以上の出会いが待っていた。
そしてその後、整備護岸沿いを流しながら帰港。
釣果をこれ以上求めるつもりはない。ただ、時間帯により、楽しい釣りは変化していく。夕マズメ、ビッグベイトでトップを狙ってみた…が、これには反応はなし。
しかし、非常に気持ち良く後片付けに取り掛かることができた。
あの一本。
感謝、感謝。
バスが出ても出なくとも、ゴミ拾い。しかし、出てくれればその行動も楽しいものに。
今日の一本のため、明日への一本のため、周囲を綺麗に…。
きっといつか実を結ぶ活動だと信じ、空き缶、ペットボトルを足で踏み潰す。
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