野池122−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/09/23
気象・野池状況 |
|
天候 |
晴れ |
最高気温 |
28℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
24℃ |
水質 |
中濁 |
basstank釣行記−2008/09/23−10:00〜13:00
秋の気配が深まる中、山奥のリザーバーにやってきた。
…9月下旬。台風上陸の便りはおろか、活発な前線さえも通過していない様子だ。
大減水。このフィールドでも、ここまで減水しているのは今まで見たことがない。
難易度の低い場所ではあるが…ヘラ師も多い。せっかく車を走らせてきたが、撃てるポイントはかなり限られている。
短時間の勝負になるか…。
まだまだ真夏の日差しを残す護岸で、出航準備を急ぐ。
さて…。
勢い良く飛び出したのは良かったが…この水、この水位。どこをどう攻めるべきか…。
幸いなのは、水温である。6月以来、25℃を下回る24℃台。…このフィールドはとうとう最高のシーズンへと突入したようである。
これから、晩秋のターンオーバーの季節まで楽しい釣りが展開できるはずだ。運動の秋、食欲の秋、読書の秋…
私はもちろん、「バス釣りの秋」。
池も、川も、海も、釣りのお祭りシーズンへと移りつつある。
さぁ、攻めどころを絞る前に、早い釣りで広く探っていこう。まず撃っていくのは、小型バイブレーション。
山間部ということで、他のフィールドに比べ低めの水温。また、プレッシャーも多少なりかかっていることを考慮して、ゴールド系で、シルエットも小さめのものを選択。
表層50cmから、水深3mほどの中層を、早めのリトリーブで探っていく…。
ロッドから伝わる規則正しく細かい振動が、いつ崩壊するか…ワクワクしながら、ディップを見つめる。
それにしても…ここまで水が減ると、撃つべきポイントも見失ってしまう。
普段は見えないブレイクも、その様子をはっきりと確認できるほどに露出している。そこから受ける印象に、生命感は全く感じられない。
速度を落としつつあるバイブレーションにも、バスが襲ってくる気配はない。
予想はされていたが…。
とにかく、悩んでいてもしょうがない。この水温、バスが広く散っていることも十分考えられる。
撃っていないラインを残さないくらい、バイブレーションで引き倒す。 それを、今日の一つの目標としてみようか…。
そして、特に反応はないままバックウォーターが見えてきた。
…比較的大き目の岬。バックウォーターは完全に水が止まっている。ここは、かろうじて水の条件は良さそうだが、抹茶ミルクの色が気になる。
このフィールドにおいては、一番良さそうだが…。
大きなトレーラー(モンスターダーツホッグの再利用)をセットした、1/2ozキャスティングジグを、岬の岸に沿って平行に落とし、底を探っていく。
浅い…岸から10mほど離しても、水深3mはないだろう。
どこがいいか…周囲を見渡す。目に入ってくるのは、枯れた岸と、色の濃い水のみである。
…
『ゴンッ!!』
余所見をしていた2投目…はっきりとしたバイトが!…慌ててアワせる。「今日はこんなパターン??」
バスは私の振る舞いを無視し、暴走を開始し、縦横無尽にライズを繰り返す。…デカッ!!
いきなりこんなバスが?
明らかに大きい。…このフィールドで目にしてきたどのバスよりも大きい。
ロッドを置き、慎重にラインを手繰る。ゆっくりと横たわりながら、バスは寄って来る。エラに深い傷を確認…そして、やはり大きい。
バスの口に触れようとすると、息を吹き返したように再び猛ダッシュ。バスとラインの綱引きをする。目の前でもバスは走ることを諦めない。頼む…大人しくなってくれ。
『フッ…』
突然、ラインにかかる抵抗が、一気に消去された。夢ではない。…バレた。
と、同時に襲ってくる絶望と悲しみ、喪失感。…天を仰ぐ。
ファイトを焦る…私の悪い癖だ。なぜ、もっと魚を走らせなかった…。明らかに捕獲への体勢作りが早過ぎただろ…。フッキングも甘かったか…。
この自責と猛省の念は、普通に生活していてもなかなか味わえない。釣りの場面ならではである。
おそらく一ヶ月は立ち直れないだろう…。それほどのバスだった。
非常に残念である。「そこまで大きくないよ。大きくない…40くらいだろ…」目に焼きついた光景とは全く異なる事実を、頭に叩き込もうとする。
はぁ…。バスを逃すということが、これほどまでに心へ凄まじいダメージを与えることを、しばらく忘れていた。
…さて、釣行は始まったばかりだが、間違いなく今シーズン一番のバス。いきなりの痛恨バラシにテンションも落ちる。
続いて投げるのは、やはりバイブレーション。…今度はシルエットも大きく、アピールの強いカラーを選択した。
「あのバス、もう一回喰ってこないかな…」
絶対に不可能だと思われることを、少しでも期待しながら、ルアーを放っていく。 アクションの基本は、ただ巻き。
キャスト後フリーフォールさせ、着底させる。そこからゆっくりと巻き始め、底の感触を確かめる。そして、そのまま底に当てながら巻くか、中層を横切るように巻くか…あるいは、次第に加速させ高速引きにつなげるか…楽しい探りどころである。
…岸際の様子は、濁りも強くなかなか確認できないが、やはりバスの存在は感じられない。 周囲は全て土か砂か岩で構成される、影の少ない岸。
バスの居何処を探るには手がかりが少なすぎるが、この水温。バイブレーションを広く放っていけば、必ず答えが出るはずだ。
…50m超のキャストから始まる大冒険。バイブレーションに今日の主役をまかせた。
最上流部の広く開けたエリア…そのど真ん中、オープンエリアへブン投げる。 …水深は5〜7mほど。着底後、岩を捉えながらリトリーブを始める。
『ブルブルルルル…ゴツゴツ…ブルルルル…』
小刻みな振動に、時折硬い地層の感触が混ざる。
『ゴツンッ!』
来たっ!リトリーブの感覚が、大きく変化する。…重みも。
ブラックバスは、すぐに水面を目指し空へ羽ばたく。よっし!いいサイズ!
鈍く重たいファイト…そして、元気なファイトを挑み続けるバスは、次第に足元へと寄って来る。
やったっ!!
40cmには届かないが、お腹パンパン筋肉バス。
このフィールドからは想像も出来ないコンディション。最高の引きを楽しませてくれた。
今日はいい。予想通り、かなりバスは散っているようだ。
実際、普段は狙う岸際シャローも撃ってみたが反応は皆無。逆に、どオープンに放てば、ほぼ着水直後にバイトがあるほどの高反応。
ルアースピードもファーストからスローまで、どのスピードであろうともアタックしてくる。このルアーが完全にハマったのであろう。
レンジも問わない。下層から表層まで至る所で、バスが追ってくる。
多数のバラシもあったが、今日のバイブレーションへの信頼は揺らぐことはなかった。
水温の恩恵を十分に受けながら、釣りを楽しむ。本当に良い季節だ。
「あとはベイトの居場所だな…」
…
と、こうなってくればやはり最初の一本が悔やまれる。…もう一度出てくれないか。
このままバイブレーションを投げ倒せば、かなりの数釣りが楽しめるだろう。しかし、それだけでは…。再び、ラバージグを手に取る。
落とすのは岸際ではない。バイブレーションと同じく、オープンエリア。水深もかなりあるポイントだ。一見、皿状に見える地形でも、チャネルやハンプも存在している。それらを見据え、ロングキャストから、ゆっくりとロッドワークしながらバイトを追い求めていく。
「もう一度…」
願いは通じるか…
『ゴンッ!!』
底にてポーズ中。広がるスカートと、大きなトレーラーが魅力的に揺らいでいたところ…待望のアタリが!
『ガッ!!』
あの反省を活かし、渾身のアワセを入れる。…よっし!のった!!
『グンッグンッ!』
さっそく走っているようだ。…しかし…切望していた重量感はない。
…ダメか。
…35cmUP、アベレージサイズ。
まあまあまあまあ、いい形でキャッチできたではないか。自分を励ます。
あのポーズ中に、スコーンっと入るアタリ。あの快感はジグだからこそ得られるもの。サイズも忘れさせる楽しい釣りである。
「今日は、バイブレーションか…」
もう迷いはなかった。巻いて巻いて楽しもう。
遠浅の地形。この延長に、今日の楽園はあった。
探りきっていないエリアは未だ残っているが…残り時間、ここで過そう。
穏かな風が吹くフィールドで小魚を模した疑似餌を、ブンブン、ブン投げる。
『ブルルルルル…』…『ガンッ!!』
表層高速引きに豪快なアタリ! アワセの直後、すかさずバスはライズ。そして、ルアーのみ空中へさらに高く放り出される。
バラシも、この激しい展開になぜか楽しい。
このコースは、まだ出そうだな…。同じラインを引いてみる。
『ブルルル…』
…もう一度。
『ブルルル…ガンッ!!』
来たっ!!…今度は…いいサイズ!
しかも、元気がいい。バスはライズを繰り返し、何度も何度も水中へ走る。…走る。
これは…最高に楽しい!完全に諦めたのだろうと思っても、それを裏切り、バスは走る。
体力も全開か。
そして、存分に楽しんだ後、バスの口に親指をかける。
40cmUP!!
やった!!…これまた、ナイスコンディションの筋肉バス。
反応が多い中にもこのサイズが混ざってくる…やはり、いいフィールドだ。いい季節だ。
できれば、あの…いやいや、もう何も言うまい。
これだけ楽しい釣りが出来れば、それだけで幸せでないか。
…
その後、バイブレーションをドラッギングしながらゆっくりと帰港。
午後1時。早めの帰路に着いた。
[フィッシング動画]
バス& 野池画像−野池122−photo gallary
バス画像−野池122
野池画像−野池122