野池123−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/10/04
気象・野池状況 |
|
天候 |
晴れ |
最高気温 |
28℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
20℃ |
水質 |
中濁 |
basstank釣行記−2008/10/04−10:00〜17:00
本日は一日釣行。過去に何度か訪れたことのあるリザーバーへ、午前10時に到着した。
ここもまた、超減水。以前も相当な渇水状態だったが、今回は7〜8mほど減っているのではないだろうか。
ここのところの天候を見ると、雨が降っていない訳ではないのだが、ダムの水量を回復させるまでには至っていないようだ。
…満水のフィールドが恋しい、10月。でも、しょうがない。やってみるか。
天気は快晴。気温も25℃は超えている様だ。ここのところずっとこのような天候が続いている。出港準備も相変わらず汗だくになりながらのもの。
しかし、湖面へ出ると…なんと、水温は19℃。20℃を下回っている。水に手を入れてみると…ひんやり冷たい。
「ちょっと低すぎる気もするが…」
山間部の場所とは言え、他のフィールドに比べ明らかに低い水温。ただし、水の様子は決して綺麗とは言えないが、それでも良好な様子。最近の天候、そして今日の天候を考えても、ターンオーバーとはまだまだ無縁だろう。
「今日は相当期待できるか…」
気温と水温の差が少し気になるが…人間もバスも、過ごし易く活発に活動できる季節になってきたということだろう。
岸際でのボイルは確認できないが、ベイトを追っているバスは必ずどこかにいるはずだ。 まずは、バックウォーターへと向かいながら、反応をさぐっていく。
撃ち始めの展開は…速いテンポのものがやはり頭に浮かんだ。表層をミノーでただ引き、あるいはトゥイッチで時折誘うもの。
目を凝らすと、子バスのスクールも確認できる。
…今日は良さそうだ。と、当初は思っていた。が、これらの印象が今日の釣行を狂わせる原因となった。
そして、次第にバックウォーターに近づいてきた。
減水により露わになったブレイクラインや岩盤を観察しながら、地形を目視で学び…ルアーに反応はなくとも楽しい旅である。
生命感はあるが…。
足元の水深は2〜3mほど。バックウォーターに近づくにつれ、次第に水深はなくなっていく。
「陸っぱりもたのしそう…」
上流を目指しつつ、しっかりとした足場からルアーを放ってみたい感覚になる。しかし…水中を泳ぐミノーに未だ反応はない。
そろそろ、一本が欲しいが…その辺りを泳ぐ子バスがヒットしてきても良さそうだが…。
気分転換にルアーをラバージグへ変更し、岩盤沿いを探ってみる。しかし…浅い。水の流れもここまでくれば、それほど恩恵は与えてくれないようだ。これではとてもバスが付いているとは思えない。
そして、特に反応はないままバックウォーターへ。川幅も狭くなり…
…!?オイカワか?渓流魚ではなさそうだが…。
水深1mほどの場所を、体長15cmほどの小魚が大群を作り元気に泳ぎ回っている。良く見ると、子バスやギルも混ざっており、なんだか楽しそうだ。
さらに目を凝らすと…そこら中に群れを確認することができる。しかも、そのどれもが15cm〜と大きい。
バスが食すには最高の食事だろうが、あまりにもベイトが豊富過ぎる。この状況では、ロッドを振るだけ無駄か…
諦め半分、期待半分、一応ミノーを放ってみる。…水温と水の色からの判断、そして、周囲の小魚より多少アピールするためゴールド系を選択。
ボイルっぽく騒がしくなっているポイントを通したり、バックウォーターの流れに乗せ高速トゥイッチを試してみたり、ただ引いたり…。
わかっていたが…反応はない。
早々にその場を離れる。「…夕刻、マズメの時間帯でも難しいだろうな」
そのあまりにも異様な光景に、本日のバックウォーターでの可能性は捨てざるを得なかった。
…続いては、中流、そして、下流へと向かう。
クランキングで、ミノー同様に手早く探っていく。…出そうな雰囲気が続く。
大幅な減水により、中流部の最深部は10mもない。キャスト距離を30mほどとしても、ボトムを打つ感覚は容易に得られる。
ロッドを上下させ、中層も泳がしてみるが…バスの追ってくる気配はない。リトリーブ速度、カラー、水深…様々なパターンを想定する。この季節、なんとかクランクでの一本を夢見て巻き続けるが…反応はない。
厳しいな…。
それとも読み違いか…。やはり今日のこの天候、水温を異常と判断すべきか。バスの活性は決して高いのではないのかもしれない。
いや…では、あのバックウォーターでの光景はなんだった?他のエリアにおいても、この反応の無さを説明できるか?単純に、水温が低めだからと説明するのか?
自ら議論してみるが、明確な答えは到底見つからない。
…そして反応はないまま、中流域を一通り撃ち尽くしてしまった。
続いて…フラットサイドルアー。明暗フラッシュを、レンジを下げて繰り出し、クランクの大振りアクションに見飽きたような反応の弱いバスを誘う…。この程度の考察で結果が出れば苦労はしないが…。
ベイトの有無を、判断材料の基本としてキャストしていく。しかし、ほとんど作業的に繰り返すキャストに、楽しみはない。期待感に盛り上がりがないまま、時間だけが過ぎていく。
ハードで、フィールド全体をカバーすれば、何かしらの解答が得られるか…まだ、午後の時間も残されている。下流部、ダムサイト周辺も残されている。早くも手堅いと思われる釣りに変更する必要はないだろう。
風も薄く、陽も暖かい。水の中の状況も良くなっているはずだ。
まだまだ。釣りは厳しいときほど、獲れた一本への感動が大きい。それはわかっている。
さて…、どうしようか…。
改めて、フィールド全体を見渡す。…いい場所だ。いつまでも大切にしていきたいフィールド。完全にお気に入りフィールドとなった場所だ。
どこに投げても、バスは潜んでいそうだが…。
このフィールドは、堅い地層を持つ理想的なエリアも多い。
これらのポイントを、スピナーベイトでゆっくりと引いてみる。引いてくるラインの深度は、次第に落としながら、10mほどまで…。ベイトも絡めば最高だが…。
実はこのフィールド、スピナーベイトでの実績が非常に高い。シーズンを通して、スピナーベイトに高反応なのである。
…頼む。
願いを込め、強めに握ったハンドルを、ゆっくりと回していく。
下流部、下流部にあるワンド、そして、ダムサイトへ…。
反応はない。
…よっし!
もう何かにこだわる必要は無い。しかし、負けたくも無い。
13インチキンクー、ヘビタンを撃ってみる。…正直、苦し紛れである。今すべき、そして、したい釣りではない。しかし…釣りたい。
…己の無力さを悔やみつつも、ここまで難しければ、言い訳はできるだろう。
もしかしたら、自分の想像する状況よりも遥かに難しいのかもしれない。もっと丁寧な釣りが必要なのかもしれない。
13インチキンクーを、コンクリート沿いとその周辺へ放っていく。
底から50cmをスイミング。そして、フォール。そして、ポーズ。3秒ほど喰わせる間を与えてから、再びスイミングを開始する。
…ダメか。
このようなエリアも、秋には良いポイントになるはずだが…。バスが広く散っていることは当然頭にある。それか、単純にこのワームではオーバーサイズか…。
…苦笑いしながら、セットするワームを変更する。6.5インチカットテール。これでも少し大きいか…。
気付けば陽は傾き始め、時刻は午後3時を過ぎていた。
今日は完全に負けたな…。理想とする釣りがことごとく叶わず、気分はすっかりボウズである。
「バス釣りは難しいな…」
改めて思う、本質である。
個人的に考えるバス釣りの上手い下手を決める要素とは、極めて単純である。
「フィールドの状況を的確に把握できる。そして、その考察の結果を正確に、釣りに反映できる」かどうかである。つまり、「状況判断、分析が上手い」かどうかである。
キャストが上手い、アクションが上手い、所持ルアーが豊富、タックルが高価…それらは、それほど重要な要素ではない。むしろ、それらにこだわり、議論を重ねることほど無意味なことはない。
もちろん、自身の装備、水位などフィールドの境遇にもよるが…。「状況判断の上手さ」。釣りという場面において、これほど重要な要素はない。
キャストが上手いからバス釣りが上手い?ハード、ワーミングが上手いからバス釣りが上手い?オールラウンド、フィネス、パワーゲームが上手いからバス釣りが上手い?
それらは、状況を判断し、その判断を行動へ移し結果を残すために必要となる能力に過ぎず、「上手い」という前提にはならない。
あくまでも、正確な「状況判断」があってからこそ初めて成り立つ理論である。
私は、その前提の蓄えも、他の能力も極めて乏しい。
経験に基づいた、状況分析能力。そして、新たな釣りを生み出す創造力。本当に釣りが上手い人はあらゆる場面で、それらの能力が極めて高い。
水、風、地、空、時…そこに存在するもの全てを理解し、理論を構成し、シチュエーションに応じて独創的な釣りを生み出す。
私も、いつかはそのような次元で釣りをしてみたいものである。
そして、釣りって難しいな…本当に難しいな。と、考えながら雑念混じりでキャストしていた。
『グンッ!!』
岩盤に沿って、ヘビタンをフォールさせていた時だった。突如、ラインが強く引っ張られる。…バイトだっ!!
ラインは弛み、バスはリグを加えたまま走っているようだ。…大きくアワせる。しかし、ロッドが理想的な弧を描ききれていない。不十分だったか…もう一度、強くアワせる。
…よっし!のった!!
『グーッ、グッグッ!!』…バスは大きく旋回しながら、そして、強く加速しながら抵抗する。
その逃亡を耐え、ディップが水中へ引きずり込まれる様は、それはもう最高である。
バスは、想像以上に強靭な引きを見せる。…いいサイズ。
「…今回の一つの経験が…答えがこれか」
そして、程なくバスは足元まで寄り、それほど苦労することなく落ち着いてバスの下アゴを掴むことができた。
…よっし!グッドコンディションの40cmUP。
一日釣りをして、ようやく手にできたバス。…感動は大きいはずだが、複雑である。
終盤に来て、ようやくたどり着いた。しかし、思い描いていた釣りではなかった。
頭の中にある光景と、実際。
今回、たまたまそれらが一致しなかっただけかもしれないが…難しい。そして、悔しい。
状況を判断し、行動に移すことの難しさ。釣果に不満がある訳ではないが、勝負には負けてしまった感覚に陥る。
その後、気になっていたバックウォーターまで北上し、様子を確認。しかし、ベイトの状況に変化はなく…一応、数投トップを投げてみる。案の定、反応はなく帰港を決意。
せっかくならもう一本を…と、いつものリグに手を出す。悪あがきを通り過ぎ、釣りの信念すら忘れてしまったのか…。
港近くの岩盤エリア。水深2m、ステイ中にて、あっさりとキャッチ。これまた複雑な心境である。
改めて感じるのは…バス釣りは難しいということ。
こだわりを覚えてしまっては、その世界は無限に広い。そして、己の無力さと無知さを思い知らされる。この気持ちが、次へのステップ、向上心へとつながるのだろうが…。
バス釣りは究極に楽しく、時に、怖ろしく難しい。
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