野池125−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/10/18
気象・野池状況 |
|
天候 |
晴れ |
最高気温 |
22℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
19℃ |
水質 |
中濁 |
basstank釣行記−2008/10/18−7:00〜17:00
本日は、丸一日釣行。山間部の中規模リザーバーへやってきた。
午前7時に到着。陽は射しきらず、まだ薄暗い。
この場に立つと、気の引き締まる思いである。…今日こそやるぞ!
ここは、過去に二回釣行した経験があり、そのどちらもオンシーズンではあったが…ノーフィッシュに終わっていた。完全なる敗北。しかも、連敗。
しかし、この場所は、多数の大型バスが生息しており、ノーザンバス60UPの実績もある。単純に私の釣りが下手なだけだろうが、私にとっては最高難度のフィールド。超苦手な場所である。
そして、県外からも多くのバサーが訪れる大人気フィールド。さらに、水の透明度は7mにも達する、超クリアリザーバー。人為的なプレッシャー以外にも、様々な要因が、バスから遠ざけている。
「今日こそは!」
気温も次第に寒くなり、長袖が手放せない季節になってきた。ターンオーバーという言葉の近づきに、敏感になりながらも、まだ大丈夫と自分に言い聞かせる。
そして、出航前…何気なくダムサイト付近を覗いて見ると…!!!!!
なんと、45cmはありそうなバスのスクールを確認。しかも、超シャローエリア。まさかさっそく、こんなにワクワク感を与えてくれる状況に出会えるとは…。
このフィールドは計り知れない。そして、今日は相当良さそうだ…。
出航準備を手早く済ませ、湖面へ。…ここもまた幻想的な光景を持つフィールド。周囲は、水の美しさと共鳴しながら光り輝く。
風の無い時間帯。このままロッドを振りはじめるのも、もったいない気がする。呼吸を意識し、空気の香りを楽しむ。
なんとか、一本!
最初に撃っていくのは、サイレントタイプのバイブレーション。秋。広大なフィールドを前に、バスの居場所を探ることが先決だろう。
まずは、水面直下から2mのレンジを、オープンエリア含めほぼ360℃、撃ち攻めていく。
…リトリーブ速度は、早め。やはり、出航前に見かけたバスの群れが頭に残る。あの状況では…回遊バスとの遭遇が、最も確率が高いものと考えられる。
さて…とりあえず、メインリバーを流していくか…。ベイトの有無が、この時期の最優先課題。岸際を眺めながら、バックウォーターを目指し、ルアーを放っていく。
しかし、肝心のベイトも、サイトで確認できるバスも…極めて少ない。
早めのルアーチェンジ。ジャバロン90、ノーシンカーリグ。この秋、テッパンリグの一つだろう。
目に入ってくる立ち木群。それらへブツけるのは、コフィンやスクエアリップを搭載したものか、スピナーベイトか…それとも、ノーシンカーリグか…。
とにかくその生命感たっぷりの動きには、いかに水がクリアだろうとも、人間すら魅了される。
広大なフィールドを前に、小さなリグ。…少々申し訳なく、心細いが、この水でバスと戯れること自体、大きな喜びとなるだろう。
次第に陽は高くなり、気温も上がってきた。…が、やはり風が吹けば、それなりに肌寒い。そして、葉の落ちかけた周囲の木々と、冷めた空気の香り。秋を実感する瞬間である。
このようなフィールドで、丸一日釣行。なんと贅沢な日だろうか。 今ですら大きな幸せを感じる。
そして、ここには、立ち木だけでなく、岩盤や赤土エリアも非常に多数存在する。
とても一日では探りきれない、お楽しみ満載のフィールドである。
…と、ベタ褒めが続いているが、ここでバスを手にしたことは…未だ、ない。
続いて、ビッグベイトを、着水後のポーズから、高速リトリーブへと変化させながら撃っていく。立ち木、岩盤からは少し離れた距離に着水させ、それらに付くバスへビッグベイトの存在を知らせる。
興味を抱いたバスが、標的をロックオンし、近寄る…すると、その接近から、素早く逃げていくベイトを演出する。
シュミレーションは完璧だが、果たして…。
…
ただただ、反応のない静かな時間だけが過ぎていく。
ダムサイト付近から、最も開けたエリア、そして、いよいよメインリバーのバックウォーター部が目に入ってきた。
…バックウォーターから最も大きくカーブしたアウトベンドにある、小さなワンド。その入り口、下流側にある立ち木ストラクチャー。
どう考えても、水の流れが最も当たる場所。時刻は、午前8時半。
いかにフィールドが大きくなっても、バス釣りの基本は変わらない。小規模野池だろうが、リザーバーだろうが、バスが通る、潜むのには、必ず何かしらの理由があるはず。
この釣行は、はじめから惨敗覚悟。ここは、探っていく釣りではなく、確信が持てる釣りを…。
6.5インチ、ヤマセンコーを搭載したフロリダリグ。シンカーは1/2oz、フックは4/0。ラインはフロロ14lb、ロッドはヘビー。
立木の隙間を、スイミング。…これが今回、自然と出た答えである。
水深は3m〜4m。立木にフロリダリグを当てながら、ロッドワークで泳がしていく。
『グンッ…、グンッ…』
木に当たり、鈍い感触が伝わってくる。
そして、水底に根を持つ木々は、その全てが垂直に立っている訳ではない。さらに、枝も全て落ちている訳ではない。
したがって、リグを寄せる際に必ずしも真っ直ぐこちらに向かってくる訳ではない。つまり、ラインが斜めに走りながら、リグは泳ぐ。その変化からバスのバイトを判別することは極めて難しく、グリップからの感触に頼らざるを得ない。
…難しい。ステイさせ、アタリを取る釣りではないし…あくまでも、そびえ立つビル、倒壊しかけたビルを、縫うように飛んでいく鳥をイメージすること。そのイメージのまま、バスを狙い撃てれば…。
…
『スッ…』
!!…ロッドには、木の感触が残ったまま。ラインが斜めに流れていたが…一瞬、明らかに不自然にラインが走る。
バイトだっ!!…この瞬間を見逃してしまえば、今日はバスと出会えないような気がする。
『ガンッ!!』
渾身の一撃。…よっし、のった!!
バスとの距離は、10mもない。接近戦。障害物が多すぎるエリアで、緊張感の張り詰めた戦いが始まった。…客観的に自分を見ても、思わず息を呑む光景である。
立ち木のすぐ横で、バスはライズを繰り返す。…いいサイズ!
だが…負ける訳にはいかない。絶対に、獲るッ!!
空中へ羽ばたくバスを捻じ伏せ…バスを強引に引き寄せ、素早く下アゴを掴む。
よっしゃあぁぁっ!!!!!
これは、いいバス!!…一人湖上で、思いっきりはしゃぐ。今シーズンの、ナイスコンディションNO.1をまたしても、あっさりと更新。
「こんなバスが出るなら、人も集まるよな…」
激難フィールドに、なぜ人が集うのか…その理由は至ってシンプルであった。
「いいバスに出会える」
それを求めて、また、それを大きな目的として、人々は山奥までやってくるのかもしれない。
水も極めて綺麗であるし…
水に沈むストラクチャーも、容易に目視で判断できる。それは、バスからの視界もまた良好ということを意味するが、心地よいものである。
プレッシャーは高いのだろうが…いつもの釣りをすれば、結果は出る。また、本日は最高の状況なのかもしれない。
先ほどのバイトの様子から、横の動きにもバスは高反応だと判断。
ここからは、スピナーベイトへとルアーチェンジする。…立ち木、レイダウンも多いシチュエーション。私同様、多くのバサーが引き倒したくなるはずだ。
岸際に放ち、水深2〜4mのラインを、ゆっくりと引いていく。
さぁ、時刻はまだ9時をまわったところ。今日は、一体何本のバスと出会えるだろうか…。
このフィールドは、とにかくこのような立ち木エリアが多い。
どこに撃ったとしても、バスが必ずバイトしてきそうな雰囲気である。…が、そこまで甘くはない。
本当にこの場所にはバスが存在しているのだろうか…と錯覚するほど、バイトを得ることは難しい。…スピナーベイトを撃ちながらも、時間だけが過ぎていく。
そして、反応がないまま1時間ほど経過。
…そろそろ、ルアーを変えてみるか。と、思っていた頃、ここで待望のバイトが!
それは、やはり立ち木に当てながら、リアクション狙いでのヒットだった。
『グングングンッ!!』
スピナーベイトの木を掴む感触が、突如、魚の感触へと変化する。…非常に分り易い変化だ。
カバーから大きく引き離すように、大きなストロークでアワせる…よっし!
ラインはフロロ16lb。…余裕を持って対応することができる。
元気な秋バス、教科書どおり、スピナーベイトにてキャッチである。
やった!!
サイズは、一本目から落ちてしまったが…これまた、体色もコンディションも素晴らしいバスである。
そして、フッキングは、補助フックではなく、メインフックに。このルアーの選択が正解していることを示しているのだろう。
ここまでで、ワーミングで一本、巻き物で一本。…もう、今日の仕事は終えてしまった感がある。もしかして…リベンジ成功!?
もう十分戦ったよ…と、正直思う。が、目の前に広がる極上フィールド。しかも、バスが獲れる。これは、素直に釣りを楽しむべきであろう。
これからは、気楽に…。そして、できればサイズアップを…。その程度の気概で良いではないか。
ぽかぽかと射し始めた太陽の光の下、一人満足感に浸る。
…気付けば、周囲は多くのバサーで賑い始めていた。この季節、いいバスに出会えることは皆知っているのだろう。
…次に、メインリバーのバックウォーターでは反応を得られず、大きく移動。
隣の支流へと向かう。…こちらも大きな流れを作り、ベンド部やワンド、そして、立ち木…どこも攻め甲斐のあるポイントばかりである。
本当にもっと時間があれば…。丸3日ほどかけて、ゆっくりと回りたいものだ。
秋空、気持ちの良い空気が鼻を通り、体全体を包む。…本当に気持ちいい。
バスとの出会いが重なると、さらにその感覚は満たされる。
…引き続き、スピナーベイトを撃っていく。
「今日はこのパターンが良さそうだ…」
先ほどと同じく、立ち木周りを、ゆっくりと巻いていく。…もちろん、木に当てながら。
時折、木が複雑に入り組んだポイントへも撃つ。そこに、特に思考はない。積んできた経験から、自然と撃つコースが導かれる。
そして、再びバイトが…。
それはやはり、立ち木群。しかし、今回はその外側、オープンエリア側でのヒットだった。岸からは10mほど離れ、水深も10mはある場所。そこを、水深3mでゆっくりと泳がせ…沈んで見えない木に当てていた時だった。
『グングンッ!!』
これまた、元気の良い…。バスは、水中の木に絡みながらも、強引に引きずり出される。完全に、こちらの勝利だ。
先ほどと同サイズ、これがこのフィールドのアベレージサイズなのだろう。しかし、コンディションはさらに良い様子。
サイズが上がらないことには、少々気になるが…嬉しい3本目。今日の好調を裏付ける一本である。
名残惜しく、バスをリリースする。…「ありがとう」。
…本当に楽しい。このような釣行が出来るのも久しぶりだろうか。…フィールド、釣果ともに恵まれる。幸せなことである。
…さて、こうなれば釣りの幅も広くなり、挑戦したい釣りも出てくる。
続いては、ミノー。このフィールドの名物と、本日のバスの活性から、素早いトゥイッチで誘ってみたくなってきた。
この選択は果たして…。
このフィールドには、多くの渓流魚も存在している。おそらく、バスにとってはさぞご馳走であろう。…ビッグベイトを投げ倒したい状況ではあるが、まだまだ、確実にバスと出会っていきたい。
ミノーは、スピナーベイトの釣りよりも早い展開。飛距離とレンジ、シルエットの大きさこそ劣るものの、そのアピール度は抜群である。
ストラクチャーだけでなく、バスの回遊コースとなり得るようなオープンにも放ってみる。
素早いトゥイッチ、大きめストロークのジャーキング、ポーズも入れながら…基本を忠実に…ただし、常に新しい何かを…。
…しかし案の定、バイトはない。…そう思い通りにはいかないか。
…ふぅ。…疲労を感じ始めてきた。
さすがに、この広いフィールド。自分の足で動いている訳ではないが、さすがに体力だけは削られる。
ここで、昼食休憩。
ダムサイト付近、整備護岸に腰をおろし、弁当を取り出す。
眼下に広がる湖面。…最高の休日である。ロッドを振っている時よりも、幸せな時間である。
それは、この後も冒険が続くということが、大きく影響しているだろう。こんなにおいしいコンビニ弁当を食べるのも久しぶりである。
午後2時前、後半戦スタートである。
これからは…やはり、標的はモンスターである。
選択したのは、最近のお気に入り、6インチシャッドシェイプワーム。1/2ozシンカーを搭載したテキサスリグ、フックサイズは5/0である。
ノーシンカーでスイミングを中心に…というのも良いが、私の好む釣りは少し異なる。主な攻め方は…8m〜のディープも含め、ゆっくりとじっくりと。
時間はある。決して守りの姿勢であるつもりはない。狙って獲る。その自信もある。
あくまでも目指すは、完全リベンジ、フィールドレコードである。…とは、言い過ぎか…すみません。
…ベイトをチェックしながら、岩盤を中心に撃っていく。
テキサスをメインリグに選びながらも、午前中好調だったスピナーベイト、そして、クランク等も放っているが…再び、バスの存在を疑う自体に…。
さすがに超激難フィールド。全く反応がない。
しかし、かなりの時間が経過していたが、何本かバスを発見することができた。そして、そのどれもが50cmはありそうな大型のもの。
しかも、付いているのは、岸際のブッシュやオダ、レイダウンといったポイント。立ち木に付くサスペンドバスも何本か見かけた。
ただし…どれも、天才か…。口を使わせることは至難の業。今の私には、最後まで喰わせることができなかった。
午後4時半過ぎ…陽は、その色を変え、眩しく目に届く。
収穫のあった釣行ではあったが、まだまだやれる気がする。
まだまだ。
経験の蓄積、技術の向上がもっともっと必要だ。そのことを強く思い知らされたことに感謝する。そして、このフィールドで初めてのバスを手に出来た喜びも、薄まることなく残っている。
バス釣りは自分の思うように行かないが、そこがまたおもしろい。
次回、このフィールドへ訪れるのはいつになるだろうか…。楽しみである。
夕刻、初冬のような風に体を冷やされながら、帰路に着いた。
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