野池128−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/11/03
気象・野池状況 |
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天候 |
曇り |
最高気温 |
20℃ |
風 |
中風 |
平均水温 |
16℃ |
水質 |
少濁 |
basstank釣行記−2008/11/03−12:00〜17:00
世間では3連休の最終日。仕事の合間を縫い、大規模野池へやってきた。
…寒い。11月に入り、気温と水温ともに、順調に下降している。
そして、フィールドでは、あいかわらずの減水状態が続いているようだ。
満水ならば美しい景観を築くであろうフィールドは、季節が変わるほどに生命感を失っていく。
…連休の最終日。
この人気フィールドでは、多くの人がロッドを振ったことだろう。今も先行者の姿が数名確認できる。
全周2kmほどの広さ。決して広大とは言えないこのフィールドに生きるバスたちは、三日間相当なプレッシャーを受けたはずだ。
さらに、水温の低下。10℃台前半くらいまでなら大丈夫だろうが、10℃を下回ることになれば…完全に冬の釣りへとシフトしていくことになるだろう。
ここまで、一定の傾きで水温は低下し続けているものと思われるが…いつ、水がひっくり返ることやら。
ハイシーズンのような釣りを楽しめるのも、あとわずかとなってきた。
風も強い…。
このフィールドには、15m〜の深場がある。場所によってはターンオーバー気味のところもあるだろう。
深場に隣接するような条件の良いシャローエリア、ショアラインを探したいところだが、おそらく先行者達に撃ち尽されているはずだ。岸際は捨てるべきか…。
このフィールドに、悪い水を遮るようなウィードエリアも皆無。ということは…いつもの釣りが頭に浮かぶ。
私の引き出しは、多くない。自信のある釣りも限られている。
いつものように、好きな釣りからスタートしていくことにした。…ディープクランキングである。
以前、私の大好きなバスプロの一人がこのようなことを言っていた。
「ディープクランキングは、楽しくてやめられない釣りだった」と。
私も…同じ思いである。
基本的に、楽しくない釣りなど存在しない。しかし、特定の釣り方に強い魅力を感じてしまうこともまた事実である。そして、それは常に変化していく。
季節、向かうフィールドの特性、個人の事情…様々な要因から、それぞれの釣りスタイルは確立されていく。私もまた同様であり、様々な経験と情報から、手にするルアーは決定される。
…考えれば考えるほどに、解答が遠ざかっていくのも、釣りの魅力の一つか。
…
水面は、時折平穏を取り戻し、山々を揺るがせながら美しく映す。
反応は未だ無いが、とりあえず上流に向かいながら、4〜5mのラインを流していく。
先行者達の姿も見える。…やはり、岸際を中心に、数少ないレイダウン等のストラクチャーを攻めているようだ。
「こんにちは」「こんにちは」「釣れますか?」「…」
声をかけてみても、反応は悪い。…あまりの難易度のため、早々に引き上げるらしい。
そして、いつものように湖面へ残された私は、宝地図の無い冒険を続ける。
…
間も無く、上流部へと突入。しかし、明らかに状況が悪い。
ほとんど流れを失っている。水は停滞し、濁りが入り、辺り一面水深もない。当然、生命感はなく、だれもがルアーを放つのを躊躇ってしまうような光景。
…戻るか。
このエリアは早々に引き上げ、下流、護岸エリアへと狙いを絞ることにした。
結局、時間だけが過ぎ、時刻は午後3時。…まさかのボウズか。私のマイナス思考は、釣り場でこそ大いに発揮される。
…あまりの反応の無さに、打つ手をしぶしぶ変えることにした。
ただし…あくまで強気で。一体誰がこの季節、状況で、7.5インチの巨大ホグワームを選択しようか。勝負を投げたとしか言い様がないだろう。
しかし、選択の理由はもちろんある。…このフィールドにおけるメインベイトの一つは、甲殻類。さらに、深く水深をとったとしても、水中でしっかりと大きな波動を生み、極めてスローながらも強烈なアピールを可能としてくれる。魚のレンジが落ちていると判断されるこの状況では、理にかなっているだろう。また、他の釣り人は、このようなルアーをほとんど投げていないだろうということも大きなメリットである。
そして、最大の理由は…ワクワク感。それだけが、今の寒さと辛さを忘れさせてくれる。
投げる度に襲ってくる期待感。これもまた止められない釣りである。
ショアラインに放ち、水深10m前後まで落としていく。あるいは、岸と平行に、その水深までの起伏の富んだ地形を探っていく。さらに、起伏のない地形、硬い底、オダ等を被る底…。
あらゆる可能性を頭の中に描く。
基本的なアクションは、着底、ジャンプ後のロングポーズ。底に障害物があれば、舐めるようにズル引き。ただし、ロングポーズを必ずその前後に入れる。
巨大ワームの利点の一つは、自然さ。着底の振動を長時間留め、僅かな湖流でさえ掴まえる。圧倒的存在感と生命感。他のルアーにはない多くの強みが、巨大ワームには備わっている。
釣れないからフィネス…。それも一理あるが、私は、全くその逆の行動を取ることが多い。
…
…倒木群。
カバーにも強いリグを手にしてしまうと、どうしても投げたくなってしまう。 しかし当然、撃ち尽されたであろうポイント。…まさか。
淡い期待で、バンクキャスト。
木に引っ掛かりつつも、そっと水中へ滑り込ませていく。
水中の状況を把握するため、ロッドワークで、倒れた木々を乗り越えていく。
…複雑に入り組んでいる。
いくつかそれらを越えた後…ポーズ。
…
『ドガンッ!!』
うおっ!!…なんと強烈なバイトか。静止していたロッドとラインに、一瞬呆気にとられるほどの衝撃が走る。
…しまった。反応しきれずに、アワセのタイミングを逸してしまった。
残念。そこには、フックのみを避けられて喰い千切られた無残な姿のモンスターダーツホッグが…。
…今日は、こんなパターン?普通に、シャローのカバーに付いているのか。 良いヒントとはなったが…やはり悔しい。獲れていれば…。
その後しばらく、同様のシチュエーションを作っているポイントに、狙いを定めてみる。
…
しかし、反応はない。…単なるラッキーフィッシュだったか。 こうなると、なおさら先ほどの衝撃的バイトが悔やまれる。
「デカかったはず…」
自分の責任を放り捨て、身勝手な想像、言い訳を考えてしまう。この寂しい状況なら その思考も加速していく。
本日、唯一得られた反応。この後、ドラマを起こす自信も、それ自体起きる気配もない。
一通りのポイントはもうすでに撃ち尽くしてしまった。
あまりの悔しさに、先ほどの倒木群へ何度か向かい、タックルも変えてみるが…
バスの気配は全くない。
…こうなれば、自分の信じるポイント、タックルで。
岸際から2mで垂直に7mまで落ち、さらに足下で10mまで落ちる岩盤エリア。 このフィールドでは最も水の当たるポイントの一つ。
しかも、北風の裏。底の構成要素は、硬い岩が主なものだが、柔らかい土の層もあるようだ。
そして、部分的に倒木やオダがその上を覆っている。 すべての魚種が集う理由が明確にある。
さらに、本日たった一度だけ反応のあったワーム。残された時間で結果を出すにはこれしかない。
玉砕も覚悟。
…テキサスリグをゆっくりと岸に乗せ、そっと水中へと落としていく。 そして、基本的なリフトアンドフォールを、長いポーズを入れながら繰り返す。
…ダメか。
少しコースを変えてみる。
岸と平行に、水深5mライン。
…倒木に、リグがよく当たる。…ポーズを多用するスローな釣り。
ロッドワークで枝を乗り越えながら…
『ドンッ!!』
強烈なバイトは、やはり突然やってきた。よしっ!!…一拍置き、渾身のアワセを入れる。
『ガンッ!!…グングンッ!!』
やった!…やっと来たっ!! …しかも…重ッ!これは、間違いなくいいサイズ。
ほとんど接近戦だったため、バスはすぐに姿を現す。…が、それはライズを激しく伴う結果となる。
暴れ狂うバス。その迫力に、アゴを掴むタイミングを見失う。…と、ギュンギュンッとドラグを出しながら、水中へ消えようとする。猛烈なダッシュ。
興奮と喜びと不安と…このような感情を同時に抱く瞬間とは、まず日常生活では出会えない。 さらに次に抱く感情も、たった一匹の魚次第で、全て支配される。
…バスの走る時間が弱々しく短くなり、その間隔も長くなっていく。
そして、間もなくバスの下アゴを強く掴む。
よっしゃああぁ!!
最高のコンディションのバス。完璧な魚体。この出会いこそが、私をフィールドに向かわせる理由である。
陽は射し込まないが、輝いて見える魚体。
最高の出会い。
「ありがとう!!」好敵手が最高の友となる。
それは極めて一方的で、身勝手な思考だが…今回は幸運にも、安堵感が強く支配してくる。
そして、大きな充実感と、終わることのない感動。
これらの感情を収めるには…
ゴミ拾いしかない。
日の暮れるまで、拾いましょう。いくらでも拾います。
素晴らしい出会いを与えてくれたフィールドへ、今の私にできるお返しは、これくらいだ。
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