野池131−釣行記−FishingTrip
野池情報−2008/11/24
気象・野池状況 |
|
天候 |
雨 |
最高気温 |
6℃ |
風 |
微風 |
平均水温 |
11℃ |
水質 |
極良好 |
basstank釣行記−2008/11/24−7:30〜14:00
世間では三連休の最終日。
私はようやく三日目にして休暇が取れたが、雲行きが怪しく、気分は乗らないまま現場到着となった。
訪れたのは、山上湖。超メジャーフィールドではあるが、さすがにこの季節に釣り人は皆無。
普段なら急いで出航準備にとりかかるのだが、本日はじっくりと空を眺める。
今はまだ青空が見えるが、本日の天気予報は「雨」。しかも、最高気温は6℃ということで、湿度が高いと言っても凍えるように寒い。
低気圧接近は大歓迎だが、この季節で、この気温。雨に打たれながらの釣行は、罰ゲームに等しい。
待ちに待った日に限って、雨予報。その予報も今回は外れそうもない。どうかお願いします、天気が崩れませんように…。
強い願いを込め、準備を整える。
…
午前8時前。湖面へ出撃した頃には、雲が色を染め始め、次第に空色を消していった。 この状態を維持してもらえれば、最高なのだが…。
気温は低い。…手が悴む。手袋を持って来なかった事を、今更強く後悔する。
水温は11℃前半。この雲行きと気温からは、それ以上の上昇は期待できそうに無い。
水質も超クリア。ということは、冬の釣りの幕開けか…。
雨が降り出すまでの短時間で、広大なフィールドからバスの居場所を探り出さなければならない。
しかもこの水温。日照量は多くないと言っても、早い展開ではなかなか難しいだろう。
とりあえず、クランクベイトのスローリトリーブで、岸際を流していくことにした。 ストップはほとんど入れずのただ巻き。目に映る倒木や立木へ当てながら…。
…
「あー、きれいだな…」
思わずその水質の良さに見惚れる。今の透明度は5mほどだろうか…。水中をゆっくりと泳ぐクランクも、容易にその存在を知ることができる。
これでバイトの瞬間でも見れようものなら…。
『ぶるるっ』
寒さとは違う要因で、身が震える。
…
下流から上流へ向かいながら、クランクを放ち続けるが、バスの気配はない。サイトで確認できたバスもいない。
…そして、中流部の小ワンドへ。
ここは、立木が点在する好ポイント。過去にも実績がある場所である。
手堅くバスに出会いたい…。気付けば、すでにロッドへセットされていたフロリダリグを手にし、フック先端とワーム本体へ刺さる部分をチェックしていた。
…バスの活性が高い。低い。どちらだろうか。確かに水温はかなり落ちてきているが、リアクションで喰わせるような時期ではまだないだろう。
あまりキビキビとした動きは必要ない。高活性は期待できないが、ノーシンカーフォールが必要という程でもなさそう。…私はこのような時、軽めのシンカーから用いる。
私の場合、レギュラーウェイト(5インチヤマセンコーの場合)は、8.8g。軽めは5g、重めは14gというもの。厳密に言えば、フィールドの状況やバスのコンディションにより調整が必要だろうが、とりあえずこの3種があればどのような場合でも不足はないだろう。
…
狙いを定め、5gのシンカーを纏った大本命リグを、倒木&立木群へ投入する。
着水後は、フリーフォール。一度底まで落としながら、ラインの沈む様子を解析し、バイトの有無の確認、そして、水中の障害物を予測する。
着底後は、3〜10秒のポーズを入れる。その後は、障害物がライン上に多い場合、必ずロッドワークでラインを捌いていく。何事も基本が大事。このようなエリアならば、水中の様子を把握するということは何よりも大切である。
『コツッ、…コツッ』。水中立木の枝か、倒木か…。それをまた想像し、戦略を練るのも楽しい。
…ここで、ポーズ。さぁ、来い。
…
『コンコンッ!』
小刻みに二回。ステイ中にはっきりとしたバイト。…待ってました!と、思いっきりアワせる。
『ガッ!!…グンッ、グンッ!!』
フッキングはしたが…ラインが強く、鈍く軋む。…バスは水中の木々を利用し、ラインをそれらへ捲りつけているようだ。
しかし、ラインはフロロ16ポンド。余裕を持ち、かつ、強引にそれらから引き離す。…よっし、外れた。
そして…オープンエリアへ導かれたバスに為す術は無い。
やったっ!!40cmUP!!
背の色が濃く、黄金がかっている…とても綺麗なバスだ。コンディションも良い。
開始30分。いきなりこのようなバスと出会えるとは…。ただ気になるのは前線の接近。雨さえ降らなければ、今日の状況は相当良さそうだ。
ただし…フッキングの様子が危うかったのも事実。上顎ぎりぎり…。
もし、1gでもシンカーが重ければ、バスの吸引を妨害し、フックポイントはバスの口を通過していなかったかもしれない。フロリダリグの恐ろしさと難しさを、同時に実感してしまう場面である。
よかった…何はともあれ、とりあえず一本!!しかも、グッドサイズ。これで、雨が来ても怖くないぞ。…気付けば寒さも忘れていた。
…
午前9時を過ぎた頃、青空が完全に隠れてしまい、雲の色はますます黒くなってきた。
…時刻は経過し続けているが、天候が味方となるか。ここで、日光が減ったことにより、バスの活性はある程度上昇していると判断する。
ベイトを追っているバスが居てもおかしくないだろう。とうとう雨もポツポツと降り出した…。
水温は依然として上昇する気配は全くないが、冬の釣りが絶対に必要という訳でもなさそうだ。
スピナーベイトで中層引き。幸いこのフィールドには、陸から伸びる倒木が豊富にある。それは、誰もが当てたくなるような光景。
リトリーブスピードも中速。ほとんど秋の釣りである。
本日の天候、フィールドの状況から考えれば、秋釣りが楽しめるのも今週限りだろう。12月に入ってしまえば、水はさらに冷たくなり、釣果も厳しくなってくる…。
そう考えると…ロッドを持つ手、ハンドルを回す手にも自然と力が入る。
何とか、今年一番のビッグバスを…その一心でこのフィールドに来たはず。何としても獲る!再び熱く意気込み、スピナーベイトを丁寧に着水させていく。
…
しかし、反応はないまま…。
本格的に降り出してしまった。体感温度も急降下。
葉の薄くなった大きな木の下で、一時雨宿り。防寒ウェアを着込んでいるが、手や頬を打つ雨には耐えられない。風も出てきたようだ。
騒がしい湖面を見つめながら、じっと身を潜める。気温も下がっているのではないだろうか。せめて雪なら…。
寒い…。
…
時折雨は弱まるが、一向に止む気配はない。
そして、数十分が経過…。
…
よっし!…ここまで来たんだ。これでいいのか?山上湖のど真ん中、このまま雨の様子を見続けて、自分で自分を不気味だと思わないのか?
寒い、帰れ…この脳から伝わる命令を無視するには、一度テンションを上げておく必要がある。
山上湖で、モンスターダーツホッグ。このような状況だからこそ実現する、異色のコラボレーションである。
スピナーベイトやスクエアリップを通し抜いても良いが、気持ちの面でもはやこれに勝る兵器はない。時間が許すのなら、立木一本一本全てにこのワームを撃ち込んでみたい衝動に駆られるが…。
とりあえず、視界に入るストラクチャーへテキサスリグを送り込む。…が、すぐに気付く。夏の釣りじゃないんだから…と。
この雨と気温が、私の狂った思考を正す。結局、このリグを手に取ったのは一瞬で、スピナーベイトへルアーを戻す。
しかし…
激しさを増す雨。…時々私の所業を許してくれそうになるが、やはり本日はダメなようである
この過酷な状況に耐えてまで、低気圧の恩恵を選べない。最後までスピナーベイトを巻き続けたい気持ちはあったが、湖面が荒れてきたこともあり、残念ながら帰港を決意。
まだまだ攻めていないエリアが残っているのだが…。まだまだロッドを振りたいのだが…。
午前11時。無念の帰港である。
…
雨に打たれながらの片付け。終わる頃には体は汗ばむほどになっていた…しかし、一息つこうと、湖面へ目を移すと…。
「雨上がってる!?」
西の空には、晴れ間も見える。山の天気は変わりやすい…のにも程がある。私の空気を少しは読んで欲しい。
このタイミングで止むなよ…。もう一度出航するという気力、体力はない。
「はは…」。もう笑うしかない。こんな日もあるよ。
…
その後は、いつものようにゴミ拾い。
この日、午前中での帰港だったため、その時間は2時間超。…自分でも驚くほどの時間、拾い続けていた。
それもある願いがあったため。
「次はお願いします」
次回の釣行へ願いを込め、午後2時、フィールドを後にする。
…
帰り際の車中。
フロントガラスに再び、雨が当たり始める。
そして…その勢いがどんどん強まっていく。
「…よっし!!」
何故か声を出して喜んでしまった。
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