basstank-野池ブラックバス釣行記

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basstank−野池ブラックバス釣行記−野池133

野池133−釣行記−FishingTrip

野池情報−2008/12/28

basstank−野池133    basstank−野池133
気象・野池状況
天候
晴れ時々曇り
最高気温
7℃
微風
平均水温
6℃
水質
中濁

basstank釣行記−2008/12/28−11:00〜17:30

   2008年12月28日、年末釣行のフィールドとして選んだのは、ホームの野池。

basstank−野池133

   前日の雪が南側の斜面を中心に残っており、水溜りには氷が張っている。…山間部のフィールドでは鏡のように、湖面に氷が張り始める頃だろう。

   本日の最低気温は氷点下。辛うじて、気圧配置は冷たい風を呼ぶような形態を成してはいないが…寒気は未だ上空には居座っているようで、今週の週間天気予報は雪マークだらけ。

   今日、明日の天候は落ち着いているようだが、年越しからは再び山沿いを中心に荒れるという。

   2008年の釣り納め。…というよりも、年末バスとの出会いより重要な目的が、今回の釣行にはある。

   『野池の大掃除』

   今年も大変お世話になったフィールドへ、せめてもの感謝を行動に移す。来年も素晴らしいフィールドで、バスフィッシングを楽しみたい。そのためにフィールドにも、綺麗な状態で年を越して欲しい。

   久しぶりに訪れたフィールド。美しい景観を期待するが…

   残念ながら駐車場ですら、多数のゴミが新たに放置されている。誰が捨てたのかわからないペットボトル、缶、ライン、ルアーケース、ワーム袋…おそらく岸際にはもっと多くのゴミが浮かんでいることだろう。

   …これらを一日かけて拾う、野池大掃除。

   バスと出会えなくとも、それはそれでいいではないか。大掃除を終えれば、また来年、素晴らしい釣行を約束してくれるだろう。「誰かが拾ってくれるだろう」…愚かな意識の釣り人に沿うのは極めて腹立たしいが、本日の釣行は一年の終わり。その人になりきってもいいではないか。

   …ゴミを拾いながらの釣り納め。午前11時、結果を求めない気楽な釣行が始まる。

   …

basstank−野池133

basstank−野池133

   まず、探っていきたいのは東側の斜面。木々の落とす影が伸び、正午近くになってもローライトな状況を維持しているエリアである。

   水温は6℃台前半。本日の状況を考えると、午後になっても水温の大きな上昇は期待できないだろうが、とりあえず探っておきたい。

   …そして、とにかく寒い。風が通る度に、頬の皮膚が凍りそうだ。水の中は未だ真冬を迎えていないのかもしれないが、陸上は完全に真冬の様子である。

   新春を迎えれば、そこから最低水温へ一直線。釣り易さを考えるなら、今日がラストチャンスになるだろう。

   撃ち始めは、この冬さらに研究していきたいサスペンドシャッド。ウッドストラクチャーを中心に通しながら、リアクション狙いのバイトを探す。

   …

   いやいや、…いけない。今日の目的は、『初冬ブラックバス』ではない。『大掃除』である。野池が綺麗になってくれれば、それでいいのである。

   私は、メンタルが非常にブレ易い。水面に出てしまうと、目的を忘れ、どうしてもバスを獲るための考察を始めてしまう。…ゴミ拾いよりも、やはり釣りが大好きなのである。

   とりあえず北側、上流へ向かいつつ、シャッドを放ちながら、木々に引っ掛かっている釣り糸、ショアラインのペットボトル等のゴミを拾っていく。

   …大掃除とは言っても、普段の釣行でしていることと同じことをしているだけ。ただし、今回は徹底的に。気付けば一時間もしない内に、船上はゴミだらけになりつつあった。

   …

   さて…、このエリアで目に付くゴミは全て拾ったと思うが…。

   すると、散漫だった興味は次第にブラックバスへ収束していく。来たからには、狙いたい。初冬ブラックバス。

basstank−野池133

basstank−野池133

   このフィールドは、いわゆる急深な山池である。そして、非常に入り組んだ地形で、本流と数本の支流を持つリザーバーのような池であるが、その景観の美しさと、バスの美しさは、他のフィールドに比べ圧倒的に素晴らしい。

   個人的な評価では、このフィールドは間違いなく中国地方で、景観とバスともに一番の場所だと言い切れる。そしてその分、他のバサーからの人気も高く、ゴミが放置され放題、かつ、激タフフィールドと化してはいるが…。

   また、学生時代から通い詰めた結果、全てのシーズンを通してこの場所での釣りは、ある程度の自信を持てる水準まで来ている。どこにどのルアーを通せば良いかというイメージも、他のフィールドに比べ、遥かに正確に描くことができる。

   冬場にすべき釣りも、頭の中には確立されている。ストレート系ワームがこの季節最も相性の良いワームとなるが、このフィールドには甲殻類も豊富である。したがって、ラバージグのアクションとシルエットももちろん効果的であろう。

   …フットボールラバージグでリアクションバイトを狙うという釣りも、この冬さらに研究していきたいものである。

   狙うは、岩盤が多いシチュエーション。岸と垂直に、バンクキャストしながら、徐々に深場まで落としていく。そして、落ちていく際に発生する、シンカーと岩とがぶつかるサウンド、変則的なフォールは、低活性のバスにも効果的であろう。

   そして、そのアクションを脳裏に描きながら、ゆっくりとロッドワークのみで、ジグを落としていく。

   『ゴツッ、ゴツッ』

   3/4ozの幅広シンカーが、しっかりと岩を捕まえている。この季節、まだ泥場や土場を意識するのは早いだろう。水温6℃と言っても、流れがある程度存在する岩盤にも、バスは付いているはずだ…。

   …

   しかし…さすがに水温6℃台。当然のことながら、反応はおろか、何の手がかりも掴めない。…時間だけが過ぎていく。

   …そして、程なく野池の最上流部へ到着。

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   インレットが存在するポイントだが、岸際は雪で覆われ、残念ながらその姿を見ることは出来ない。水深は減水の影響もあり、非常に浅い。この水質でも底の状態が目視で確認できる。…ドス黒い色の水草が、停滞した水と共に浮遊している。

   ここは、外すべきだな…。冬の短い時間を、僅か過ぎる可能性に懸ける余裕は無い。

   この頃にはもう、当初の名目はほとんど頭になかった。

   …

   そして、本流の最上流部を折り返し、次に支流のエリアへと向かう。

basstank−野池133

basstank−野池133

   …理想的な倒木エリアが続く。ハイシーズン中ならば、楽しい釣りが展開できるエリアである。

   しかしこの季節、水は停滞しており、生命感の全ては消去されている。とりあえず、日の当たる西側の岸にはなるが、どうだろう。底の状態は比較的柔らかく、ウッドカバーが絡む…可能性がないということもなさそうだ。

   ここでの選択は、スピナーベイトの中層引き。陽で温まった倒木に付くバスを狙うため、木々に当てながら、あくまでもゆっくりと誘っていく。スローな動きで泳ぐスピナーベイトに、バスの注意を惹かせ、木へ当たった瞬間に発生するイレギュラーなアクションで、口を使わせる。

   水温との相談にはなるが、この季節でも有効な釣法だろう。

   小さな隙間へ通し、かつ、音も立てずに着水させるような、極めて正確なキャストが求められるが、その集中は、今の寒さを忘れさせてくれる。

   ゴミ一杯の船上から、スピナーベイトに願いを込める。

   木を捉える感触を得るたびに、期待の波が押し寄せる。…これまた、素晴らしく楽しい釣りである。

   …どうか。出てくれないか…。

   …

basstank−野池133

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   しかし、魚の反応は永遠のように遠い。

   午後1時半。ここでエリアを変える。このフィールドには本流以外に二つの支流があり、その内の一つへ入る。…冬場は良いとされるエリアだ。

   支流の奥は北側に位置しており、流れ込みがある。今は、減水と雪により、その姿は確認できないが…。今できるのは、流れ込みからの伏流水を期待するくらいか。

   ここから、リグを変更する。冬の友、フロリダリグである。

   今回リグに用いているシンカーは、10gと少し重め。12月下旬としては低めの水温、また時間帯を考慮し、食性で喰わせることは難しいと判断。5インチという小さめのシルエットを機敏に動かし、リアクションで喰わせることを、第一目標とする。

   東側から北側、西側の斜面へ向けて、岸際へキャストしながら、足元水深10mまで落としていく。私にとっては、冬の野池では最も多用する釣りである。

   落とし切るまでは、小刻みなリフト&フォールを多用する。そのリフト幅は10cmほどだろうか。そして、フォール後にポーズを入れる際は、その時間は必ず5秒以上。このときのバイトも非常に多いため、スローながら一切気の抜けない釣りではある。

   これで出てくれなければ、相当厳しい状況に追い込まれるだろう…。大掃除を目的に来たはずが、妙なプレッシャーに追い込まれ、気が苛立つ。

   …

   そして、リグを撃ちながらも、岸際のオーバーハングに引っ掛かっているラインに、無性に腹が立つ。

   「…これくらい、取ってくれよ」

   枝に引っ掛かっても、ワーム類ならブッ千切って、はい終了?…そんな人間は、釣りを楽しまないでほしい。その光景を、「他人がしたものだから…」と見過ごすことも、決して歓迎はできない。

   水中での根がかりも同様ではあるが、せめて可能な限りは、ルアーとラインの回収に努めたいものである。それは、たとえ他人が残したものであっても。各バサーは自分自身だけでなく、そのフィールドでバス釣りをする全ての人の責任を考えておく必要があるのではないだろうか。

   極めて個人的な発想だと自覚はしているが、引っ掛かっているラインを回収しながらも、強く願うことである。

   …

basstank−野池133

   …結局、先程の支流エリアでも、反応は全く得られなかった。次に、フィールド上では最も西側に位置している、二つ目の支流へ移動する。

   こちらも比較的大きな支流エリアにはなるのだが、流れはほとんど無く、比較的風も当たりにくい場所と言える。また、この支流の所々には、小さなワンドが点在しており、バスの越冬場所としては、非常に適している要素が揃っている。

   さて、一体どこに潜んでいるのか…。

   冬季にバス釣りへ向かえば、釣りのレベルが上がる。というのは、私は正しい意見だと考えている。

   冬、バスに出会うことは難しい。だからこそ釣り人はいつも以上に思考を動かす。夏場、ここまで必死に自然を読もうとすることがあるだろうか。…冬場ほど、選び、考え、悩む季節はない。

   あの稜線がこのように入って…。あの地質がここだけ変化していて…。水がこのように当たるなら、その裏で…。風が吹くタイミングに、ここだけその切れ目があって…。この水温、水質ならば、この動きで…。

   一体、どこに潜んでいるのか。一体、どのように誘えば喰うのか。冬…これらの答えを得たときに、釣り人は昇華する。そして、その苦労を知り、感動を得た釣り人は、ハイシーズンでは絶対的な自信とともに、強くなる。

   しかし…とは信じているものの、結果が出ない。この季節、野池といえどもバスと出会うことは、そう簡単ではない。

   バイトのない時間は刻々と過ぎていく。

   …

   !!

   午後3時過ぎ。ここで大きなヒントを得る。

   フロリダリグを撃ち続けながら、底を取っていたところ…オープンエリア、水深8mのフラットに、直径1mほどのオダ群を確認。…しかし、フロリダでは出ない。

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   …ここで、ルアーチェンジ。

   モンスターダーツホッグのテキサスリグ。7.5インチの巨大なワーム、今年最も頼もしい戦友であったことは間違いない。

   そのシルエットの大きさは、ディープでも激しく活躍してくれる。今回は、アピール度の増強とバイト時間の延長のため、ラトルを頭部に埋め込んでいる。

   誰もが、ダウンショットを落としたくなるこの状況で、あえて選択したい。2008年の納め。たとえ反応がなくとも悔いはないが、自信ならある。

   セッティングをしっかりと確認し…岸と平行にオダ群を跨ぐよう、ほとんどオープンエリアのド真ん中へリグを放つ。

   着水から着底まで、5秒ほど。ラインを弛ませ切ったフリーフォールである。そして着底後は、ほとんどリグを動かさない。…僅かな湖流にまかせ、食性でのバイトを狙う。

   …その後、何秒かの間を持たせ、小さくリフト。…再びじっと待つ。

   これは、この季節のラバージグのアクションとほぼ同様。スローな釣りながらも、バイトを待っている時の心境は穏かではない。…『ガンガンッ!!』という、あの最高の衝撃がいつ襲ってくるかわからない。

   特に、目標のオダ群を抜ける際には、その興奮は最高潮を迎える。

   …

   ダメか…。

   もう一度。…先程のコースよりも、50cmほど岸寄りにキャストする。少し角度をつけることで斜面から落とし、ラインがポイントを先行する事を避ける。

   …

   再び、オダ群を通る。…全ての意識は、ロッド先端へ集められる。そして、何cmか過ぎたところで、ポーズ。

   …

   『ガンガンッ!!』

   来たっ!!

   ロッド先端が激しく叩かれるのを目撃するのと同時に、グリップに最高の感触が宿る。 その瞬間、十分なタメを作り、ロッドを渾身の力で煽る。

   『ガッ!!』

   そして、フルスイングのアワセの後、やはり大爆発が起こる。

   『ドンッ!!』

   なんと強靭な走りか。…根がかりではない。大地が動いている。年末の野池、大掃除に来たはずが、このような引きと戦えることになろうとは。

   …ラインは20ポンド。そして、バイトの様子から、浅いフッキングはないと判断。ファイトを存分に、余裕を持って楽しむ。そして、間も無くバスは水面を割る。

   …大きい。

   しかも、この季節ながら元気が有り余っているようだ。ライズを何度も繰り返す。

   足元までバスは寄ってくるが、私と目が合った瞬間、ロッドごと水中へ引き込もうと猛烈なダッシュを見せる。しかし、フッキングの様子を見届けた私は、そのダッシュを楽しむことしかできない。畏怖に変わるほどの強靭な引きだが、何時までも続いて欲しいと願う。

   これぞ、初冬野池ブラックバスの醍醐味か。…そして、次第にバスの体力は尽き、私にアゴを掴ますタイミングを与えてしまう。

   …凍える水も、今は全く意識の外である。

   …

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   やったっ!!

   この季節、リアクションではなく、食性で獲った価値ある一本。…この釣りは、本当に止められない。先程のバイトの様子を、頭の中で復習するが…もう、最高である。

   …深場から、バスを引き抜く。

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   しかも現われたのは、冬季を迎え、メターボ全開フルスロットルのビッグバス。今シーズン最も良い魚体かもしれない…。

   それにしても、何というお腹…。眺めるほどに、その姿に圧倒される。さらに、驚愕の美しさを備える体…。

   これほどのコンディションのバスを狂わす、モンスターワーム。その信頼は、来シーズンも揺ぎ無いものだろう。

   「来年も宜しくお願いします」

   …バスに願いを込め、慎重にリリースする。信心深い訳ではないが、水中へ消える姿を見送るときには、手を合わせ、叩きたくなる。

   「やった…」

   雪の残る斜面を見つめながら、何とも言えない感情に浸る。

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   …さて。

   野池からの最高のプレゼントを受け取ったからには、こちらもそれ以上のことをしなければならない。

   …日没までは、まだ時間がある。ロッドを置き、拾い残しがないか確認するため、フィールドを巡ることにした。とても気分よい。はりきって、大掃除の再開である。

   …

   そして…日没が近付くころには、もう船上にはゴミを上げれないほどの状況になっていた。

   …午後5時前、ここで帰港を決意。

   しかし、マズメの時間帯…再びロッドを振りたくなってしまった。

   手に取るのは、サスペンドシャッド。低活性ながら、ベイトを追う気配を見せるバスを狙う。

   …レイダウン群を中心に、その先端の枝へシャッドを引っ掛けながら、バイトを探す。

   リトリーブスピードは、超スロースピード。むしろ、「アクションさせない」くらいのスピードで、枝を舐めていく。

   …

   『グングンッ!!』

   シャッドを投げ始めてすぐの反応。

   狙い通り、枝の感触が元気の良いバイトへと変化する。…来たっ!!

   そこまで期待していなかった魚こそ嬉しいか…。異常なまでの強烈なバイトに、日が落ちかけたフィールド上で、一人お祭り騒ぎをする。

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   よっし!!2本目!

   これまた、なかなかのコンディションの40cmUP。…嬉しい一本である。

   それにしても、ここはハイシーズンでも、一日に二本も手にすることは難しいフィールド。時期的に釣り人が少なくなっており、プレッシャーも低いものと思われるが…まだまだ、水の中は「秋」ということなのだろうか。

   魚の探し方と、釣り方は完全に冬の釣りをしているはずだが…バスは、この雪の中でも元気なのだろう。

   そして、この一本を後にタイムアップ。

   …ふぅ。

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   こんなに気持ちの良い溜め息も久しぶりである。

   年末に、こんなに素晴らしい思いができるとは…。大掃除といって、フィールドへ向かってみるものである。自然は必ず応えてくれると、再び確認ができた。『一釣一善』。自然は決して裏切らない。

   「来年もいい釣りができますように」

   袋一杯のゴミを前に、手を叩く。

[フィッシング動画]

 

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バス画像−野池133

  ブラックバス1匹目(サイズ50cm)
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  ブラックバス1匹目(サイズ45cm)
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