野池134−釣行記−FishingTrip
野池情報−2009/02/08
気象・野池状況 |
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天候 |
晴れ時々曇り |
最高気温 |
11℃ |
風 |
弱風 |
平均水温 |
7℃ |
水質 |
良好 |
basstank釣行記−2009/02/08−9:30〜11:30
2009年、釣り始め。
二月上旬、向かったフィールドは、平野部の小規模野池。週末の僅かな時間を縫い、短時間、陸っぱり釣行。
釣りに行きたい衝動は、とうとう抑えきれられず爆発してしまった。
野池の周囲は、ひんやりと冷たい空気で満ちている。陽射しは暖かいが、風が通り過ぎるたびに今の季節を思い出さされる。
そして、静かな野池を眼前に、心が沸き立つ。手にするロッドを選び、タックルを車から出庫させるのも、どこか落ち着かない。
…早く投げたい。
ブラックバスのことはほとんど頭にない。とにかく、岸際へ行き、ロッドを振りたい。スプールからラインが放出されるあの感覚を楽しみたい。
ロッドを決め、急いでルアーをラインに結ぶ。
そして、護岸の入り口でつまづいたところで、ようやく我に戻る。
…危ない。
冬とはいえ、陸っぱりでは、足音に気を付けたい。物音を立てないという、陸っぱりの大原則が頭から抜けていたことを自身恥ずかしく思う。
さて…。
今日は、本当に陽が暖かい。
…時間は限られている。2月上旬。大型のバスがシャローや表層において回遊している可能性を、まずは潰しておきたいところ。
最初に、野池の整備護岸沿い、そして、野池の両サイドをチェックしていく。
特に、野池の北側に位置している整備護岸は、土手により北風から護られ、太陽の光が一日中注がれる。
フィールドの中で、最も人為的プレッシャーが掛かり易い場所ではあるが、最も高水温が期待できるエリアでもある。
ライトウェイトのスイムベイトを西側へ遠投し、中層から表層にかけ、ゆっくりと巻いていく。
早々のバイトを期待したいが…。
これまた、ルアーが気持ちよく飛んで行ってくれる。求めていた感触がスプールから伝わってくることに、喜びを覚える。
そして、足元から整備護岸を一通り探った後、今度は野池の東側へ平行にキャストし、リトリーブ開始。
野池の東側はこの時間帯、日陰になっており、他のエリアに比べ水温上昇に要する時間は長い。しかもこちらは、角度のある斜面を成しており、ブレイクラインも深い。ここは可能性薄か…。
…
…悪い予想通り、バイトはない。
次に、護岸沿いにルアーを放ちながら、西側斜面を目指す。
こちらは、今の太陽の位置では、日差しが最もよく当たっている。さらに、斜面の角度は浅く、カバーも豊富である。
…期待度は極めて高い。しばらく、しつこく通してみる。バスがシャローを差してくるとすれば、このエリアのはずだが…。
…
静かな水面が時折、突然の突風により波立つ。そして、その色が白色に変わる様子を無心で眺めながら…バイトを待つ。まぁ、そう簡単には行かないよな…。
ここで、現実を見つめ直し、ルアーを交換する。
冬の野池、大本命のバイブレーション。底を取りつつ、リアクションを狙う釣り…。特に、このTNシリーズのバイブレーション(ジャッカル製)には、絶対の信頼がある。
その着底姿勢とアクションの立ち上がりの良さ、バランス、強いサウンド…私にとっては、超名作ルアーの一つである。
野池をバイブレーションで輪切りにする。一体どれだけバスに出会いたいのか…自身に問い、表情がニヤける。…気持ち悪い。
さて…。
この釣りの場合、根がかりをある程度覚悟しなければならない。したがって、16ポンドという太目のラインを用いる。今回の野池の場合、底の起伏や沈んでいる障害物は少ないので、10、12ポンド程度のラインでも良いかもしれない。
しかし、ルアーが底をノックすることが大前提で、その際発生するイレギュラーなアクションこそが、冬の低活性バスに効果的である。安心して、自信を持ってこの釣りを行うためにも、そして、ルアーロストを防ぐためにも、16ポンド以上。強いラインを用いたい。
ただし、ラインが太くなればなるほど水の抵抗は増し、底が駆け上がっていない限り、着底直後から底をズル引くことは難しくなる。リトリーブを開始するとルアーはすぐに底を離し、いかに時間を置こうとも、リトリーブ速度を落とそうとも、求める泳層を保つことは厳しくなる。
そしてここのように、起伏、沈んでいるストラクチャーが少ないフィールドでは、リアクションバイトを得ることが難しくなってしまう。
この様な場合、ただ巻きで底を捉え始めるまでは、横のポンプリトリーブ(リッピング)によるリフト&フォールを用いれば良いだろう。キャスト直後は、腰を回すようにロッドを引き、ルアーを泳がす。この時、ルアーは底を放してしまうだろう。しかし、すぐにロッドの動きを止め、手前に戻すことで、ルアーは「フリーフォール」に近い動きを始めてくれる。この動きが、またバスにとっては魅力的に映る。今は、カーブフォールは必要ない。
そしてラインは、バイトの有無を確認してから、ルアーの着底をしっかりと確認してから、巻き取り始める。
その後、ロッドを引いている際に、底を捉え始めたら、ようやくズル引きを開始する。着底直後から、リールのハンドルだけを回していては、決してこのアクションは実現できない。底を放してただ泳ぐという、バイトを得られるはずもない無駄なリトリーブ間隔が生まれてしまう。
キャストしてから、リールを巻き出し、ルアーを回収するまで、その全ての間隔を有効に活用したい。今回のように足元が整備護岸で、沖の落ち込みと護岸のかけ上がりが交差するような場所では、非常に有効な方法であろう。
…
快晴の空の下、ロッドのディップとラインを見つめながら、集中していく。
…
『ゴツゴツ…』
ロッドが底の感触を得る度に、期待は飽和する。
しかし…
護岸の端から端まで、幅1m刻みくらいで探ってみたが…出ない。やはり、冬は難しいよな…。
…ここで、ルアーのシルエット、アクションともに変更してみる。
メタルバイブレーションへチェンジ。冬のバス釣りでは、最も熱く語られるルアーの一つである。
先程までのバイブレーションと比べ、フォールスピード、フラッシングともにそれらインパクトは増す。シルエットも小さくなり、バスが思わず口を使うには最高のサイズであろう。
果たしてどうか…。
狙うは、野池最深部。この季節、このような小規模野池の場合、最も深い水深のところへ、あらゆる魚種が集まっている。
私の場合、野池の最深部を探る際は、ルアーで底を取っていく方法以外に、「地形を読む」ということを心がける。これは、どの釣り場でも必要なことでもあるが…。
例えば、この野池が徐々に減水していき、あともう少しで干上がってしまうところを想像してみる。当然、目の前には水の満ちた野池が存在しているため、それのみを見つめていては想像は難しい。
大きな手がかりの取水管以外に、周囲の地形、護岸の形状を注意深く見る。そして、山の角度や形状を観察し、整備が入る前の地形の様子を考察する。
…すると、うっすらと、減水していく野池が見えてこないだろうか。最後まで、水が残っているエリアが浮かび上がってこないだろうか。
そこが、最深部。
…目標を定めた後、テッパンを送り込む。…着底後、今度は海のジギングに近い強めのシャクリ、ジャークを入れながら、リフト&フォールを繰り返す。フォールは着底まで行い、その後のポーズは入れない。すぐに、ロッドを煽る体勢に入る。ハイシーズンでは、なるべくラインが水を切らない様、ジャークスピードを加速度的に増していくこともあるが、今回はお構いなし。とにかく強いフラッシングが欲しい。
近海の釣りを思い描きながら、ロッドを上下させていく。
…
すると、すぐに反応が…。
『ブルルル…ドドッ!!』
2、3回目のジャーク中に、突然、重たい振動がバットに乗る。
…バイトだっ!!…一瞬、「木!?」と思うほどの反動が押し寄せたが、すぐに魚のものだと確認。
この時ばかりはテンションが上がりすぎ、やりとりなどほとんど関係なし。力尽くで寄せ、強引に水面へ引き抜く。
…
やったっ!!
素晴らしいコンディションの初バス。色も綺麗。また、口の内部が赤く染まっていることからも、冬のバスであることが伺える。
…本当に嬉しい一本。
口を掴んだ後も、尾を振り続ける。とても元気の良いバスである。
リリースする際も、冷たい水を浴びせられる。…それが、また心地よい。
さて…。
非常に気持ちが良い。その後しばらく、同じ形でのバイトを探す。
…
しかし、反応はなく…午前11時半、帰路に着く。
そして、いつも通りの行動へ…空き缶とペットボトルを、一つずつ拾う。
今回の一本と、次回の一本のために。
[フィッシング動画]
バス& 野池画像−野池134−photo gallary
バス画像−野池134
野池画像−野池134