自作工程-木材の切断
外形のデザイン
まずは、ビッグベイトの外形(横から見た形)をデザインしていきます。
渓流魚 | フナ、鯉 | ブルーギル |
まず、シャーペンかボールペンにて、木材(横面のみ)に、形を描きます。
ここの作業で、ほとんど自作ルアーの外形が決まってきます。 ヤマメなどの渓流魚に似せるのか、フナなどの川魚か、それともブルーギルか…特に、体高に配慮しながら、 デザインしていきます。 |
木材の切断
ポイントとしては、大きめ(〜1mmほど)に切断していくことをお勧めします。後に、「小刀」で 削りながら形を整えていきますが、この時にサイズダウンが容易に行えるからです。
次に、真上から見下ろした状態で、ルアーの形を切断していきます。口元のカーブ、尾びれまでの 傾斜を、このときデザインしていきます。
まず、口元と尾びれに、中心となるマークを付けておきます。そして、どのようなカーブにするのか、 どのような傾斜にするのか、自らデザインしながらラインを引いていきます。 ラインを引いた後、 それらに沿って、「大まかに」切断していきます。 |
ここの段階までは、ある程度大雑把に行っても問題ありません。 糸鋸による切断の後に行う、「小刀」での整形は、思った以上に簡単にでき、 綺麗に仕上げることができるからです。
リップとテール部分の切断
続いて、リップを挿入する箇所と、テールを装着する部分を削っていきます。
これらの幅は、挿入するリップやテールの幅より、多少(1mmほど)広くても問題ありません。 糸鋸での切断により生じた木屑を、それら装着部の隙間に詰め、接着剤等で固めれば、多少の隙間なら十分対応できるからです。 ただし、リップやテールの幅よりも狭かった場合は、再び削る必要が出てしまうので、注意しなければなりません。 |
リップ装着部の角度に関しては、ルアーの潜水深度に関わってくるので、よく考慮してから切断面を決定しましょう。 水平を軸にして、垂直に近い角度になるほどシャロー用、水平に近い角度になるとディープ用となります。 ここでは、標準的な「45度」を、リップの角度としていきます。 |
関節部分の切断
続いて、「ジョイントタイプ(多関節タイプ)」にする際は、ここまで造形したものを、 さらに切断していきます。
一般的な切断方法は、「垂直に切断」か「斜度をつけて切断」に分けられます。 ここでは、「斜度をつけて切断」ということ前提に、説明していきます。
まず、ルアーに頭から、尾びれまで中心線を引きます。そして、どのような角度にするか、という点に関しては、 正解というものはありません。いろいろ試行錯誤していきましょう。
ここでは、「45度」の角度をつけていきます。 同じく、ラインを引いた後、糸鋸で切断していきます。
結合部分のタイプ
結合部分のタイプも、大きく二つに分けられます。以下のように、切り込みは入れず両方のボディにリングネジを埋め込む タイプ。一方(後方)の切断面へさらに切込みを入れ、ネジの円形部分に棒ネジ(釘でもよい)を打ち込むタイプとあります。
二つのリングネジによる結合 |
一つのリングネジと、棒ネジにて結合 |
強度がより強いのは、後者です。ビッグベイトは、ヒットする魚がランカーバスであることが多いため、 強度重視の作りにした方がよいでしょう。
工程の複雑さと手間の負担はかなり増しますが、ランカーバスとの やりとりを安心して行える機構が、ビッグベイトには必要です。 |
溝の深さは、1cmを目安にします。溝の幅は、ネジの太さより2mm程広く取っておけば良いでしょう。
ボディの動きをコントロールするには、リングネジの金具の長さを調節すれば可能です。 動きを抑えたいなら短めに、大きなアピール力を得たいなら長めにと、調節していきます。ただし、 ボディに食い込んでいる金属部分が少なくなりすぎると、強度に不安が出てくるため、気をつけましょう。
ここまでの段階まで、糸鋸で行い、 この後は、小刀で形を整えていきます。