バスタンク-野池ブラックバス釣行記

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クランクベイト

   クランクベイトのアクションの基本は「ただ巻き」。キャストし、ロッドのアクションは加えず、ただ巻く。ただそれだけである。

   あえてアクションにバリエーションを付けるとしたら、ポーズ(ロッドもリールも止める)やトゥイッチング(ロッドを素早く煽る、しゃくる)だろう。しかし、それらを加えてもよいが、8割以上は「ただ巻き」。基本的には、大きなアクションを加えることなく、スピードを時々変化させるぐらいでよいだろう(基本スピードは、1秒にハンドル2〜3回転ほど)。

   ただし、クランクベイトには重要な役割がある。それは、「レンジキーパー」と「ボトムノッカー」という役割である。

   クランクベイトは、使用するリップ(透明な口ばしのような部分)の大きさ、形状、角度から一定の水深を保つことができる。このことは大きな利点となる。例えば、バスの付いているレンジ(水深)が明確で、そのレンジを攻め続けたいとする。そのような時、クランクベイトは、レンジキーパーとして大きな活躍を見せてくれるだろう。

   また、リトリーブして、クランクベイトが底まで到達したら、リップとボトム(底)がぶつかる「ボトムノック」というアクションが発生する。このアクションは、ブラックバスにとって極めて魅力的なサウンドとアクションを生む。

   特に、底が岩など硬い地盤で構成されている場合に、その威力を発揮する。また、クランクベイトの機構上、根がかることは少ない。ゴツゴツというバスの反応に似た底の感触を、常にロッドから感じ取りながら、自信を持ってアクションすれば良い。

ボトムノック

   ヒットすれば、底とは明らかに違う感触があるはずである。

バイブレーション

   バイブレーションも基本アクションは「ただ巻き」。バイトは、着水後フォール(巻かずに、その場で沈ませていくこと)させ、リトリーブし始めた瞬間に集中する。ただし、バイブレーションでは「沈む」ということを常に、念頭においておかなければならない。

   バイブレーションには、障害物を避けるようなリップはなく、クランクベイトのようなアクションはできない。しかも、「シンキング(沈む)」タイプのものがほとんどで、注意しなければ根がかり率も高い。

   扱いのポイントとしては、キャストし着水後、着底まで何秒かかるかカウントしよう。その秒数を割っていき、下層、中層、表層と、リトリーブするレンジを組み立てていく。

   ただし、レンジやリトリーブスピードは変化させていったとしても、やはり基本アクションは「ただ巻き」。ポーズを入れるとしても、それは瞬間的なものである。

  また、縦ストラクチャー(立ち木など)に関しては、それに沿わしてフォールさせるということも考えれる。この場合も、ただ巻きしながら、各レンジを通して行くといった攻め方のほうがよいだろう。

バイブレーションのアクション

   攻めるレンジも多様で、遠投も効くバイブレーション。その使い道は多い。

ミノー

   ミノーでも「ただ巻き」はもちろん有効なアクションだが、他のルアーに比べ、「ポーズ」や「トゥイッチング」でも、非常に効果的なアクション生む。

   特にミノーにおいては、ただ巻きの最中よりも、何かしら不自然な動きや急な動きをした際に、バイトが集中する。

   ミノーは、フローティングタイプ(水面に浮かぶタイプ)、サスペンドタイプ(水中に静止するタイプ。ただし、フィールドによって水の比重などは異なるため、「完璧なサスペンド」タイプは存在しない)、シンキングタイプ(沈んでいくタイプ)と大きく3種に分けられる。また、水中の姿勢もルアーによって異なる。どのタイプが良いかは、そのときのブラックバスの状態や、釣り人の好みによるだろう。

   ここでは、フローティングタイプとサスペンドタイプをお勧めする。

  理由は、フローティングタイプは小魚を上手く演出しやすいからである。特に、フローティングタイプは浮かんでくる際、無防備にプランクトン類を捕食する小魚のように振舞う。そして、なるべく「尾の方より、頭の方が上になる姿勢」で、浮かんでくるものの方が良いだろう。

   トゥイッチングでランダムな動きをしながら、突然のポーズ。そして、無邪気に水面へ近づくミノー。

   ブラックバスにとっては、極めて魅力的に見えるだろう。

ミノーアクション

シャッド

   シャッドとは、細身のクランクベイトで、ミノーのように扱えるルアーと想像すれば良いだろう。

   クランクベイトのように、体を小刻みに揺らしながら泳ぐようなことはせず、ミノーのように、より自然な泳ぎを見せる。また、サスペンドタイプが多く、トゥイッチングさせるとミノーのように体を斜めにヒラ打つ。

   アクションのポイントとしては、スローリトリーブ(ゆっくりと巻く)から突然のポーズとトゥイッチングを入れていくこと。ミノーとほとんど同じである。

  常に、トゥイッチングでバスにアピールし続けても良いが、無邪気にのんびりと泳ぐ小魚を演出しながら、突然の逃亡を演じさせた方が有効だろう。シャッドでは、とにかく様々なアクションを試したい。

スピナーベイト

   スピナーベイトも、基本は「ただ巻き」である。扱い方もバイブレーションと同様で、様々なレンジを攻略することができる。

   スピナーベイトは、元々「小魚」の群れを模したルアーである。他のルアーとは形状がかなり異なるが、釣果には大きな期待が持てる。アピール度が非常に高い、ブレード(スプーンのような金属部品)により、ブラックバスの注意を引き、スカートとシンカーの付いたフック(ラバージグのようなもの)で食わせるのである。

  もちろんブラックバスはフックに喰いついてくるのだが、トレーラ(ワームをフックに刺し一体化させる)をセットとすると、より好釣果が望める。

   ブレードの形状に関しては、水質がクリア(澄んでいる)な場所では、リーフ型(木の葉型)、そうでない場合はコロラド型(丸型)を用いると良いだろう。特に、リーフ型は水の抵抗も少なく、フラッシング効果(光を拡散する効果)も高い。場面に応じて使い分けたいが、基本的にはリーフ型で問題はないだろう。

   そして、スピナーベイトの利点は、その応用の幅の広さである。 その形状から、根がかりも少なく底付近を探ることができ、トップウォーターのように表層を攻めることも出来る。遠投もしやすく、ヒットするブラックバスのサイズも、比較的大きい印象だ。

   河川でのバスフィッシングでも、是非用いたいルアーである。

スピナーベイトのアクション

トップウォーター

   トップウォーターとは、トップウォーター(水面上)を泳がせるルアー全般のことをいう。このとき使用するラインは、水と比重がほぼ同じナイロンラインか、できれば、水よりも軽く伸びもない「PEライン」を強くお勧めしたい。

   基本的なアクションは、「ストップ&ゴー」。ルアーをある程度泳がせ、ある程度動きを止める。例えば、着水後に5秒ストップ(ポーズと同意)、50cmほど水面を泳がせ、再び5秒ストップということを繰り返すアクションである。

   使うポイントとして適切なのは、比較的水深の浅い場所であろう。特に、シャローエリア(浅場エリア)や岸際のオーバーハング(木々が水面に覆いかぶさっているポイント)付近では、是非使用していきたいルアーである。

   バイトの瞬間は、どのタイミングでも起こりうるのだが、最も頻発するのは、ストップ後の動き出しであろう。

   水面を泳いできたルアーがいきなり止まる。不審に思うブラックバスは、水中から表層へ登ってくる。不信感を募らせたバスに、突然の逃亡を仕掛ける。その瞬間、思わずバスは口を使ってしまうのである。また、着水直後の動き出しにもバイトが集中する。

   さらに、「ドッグウォーク」というアクションも非常に効果的である。ドッグウォークとは、その名の通り、犬が歩く様を例えたもの。ロッドをリズム良くトゥイッチングさせ、ルアーの頭を左右に振らせながら、水面上を踊らさせていく。ドッグウォーク中にバイトがあることも珍しくない。

   また、トップウォーター系プラグとして代表的なものは、ポッパーやペンシルベイトが挙げられる。これらの、ドッグウォークはブラックバスにとって極めて魅力的なのであろう。そのバイトの様子の凄まじさは、釣り人を強く魅了する。

ドッグウォーク

フロッグ

   その他、バズベイトやスウィッシャー、ノイジーといったトップウォーター系のルアーもある。季節や、その場のバスがどのようなものを餌としているか、あるいは個人の好みによって、使い分けていきたい。フロッグという「蛙(かえる)」を模したものもある。

   トップウォーター系ルアーの魅力としては、とにかくそのバイト時の衝撃であろう。 そのバイトの様子を目撃した瞬間に、トップウォーター系ルアーの虜になるはずである。

   さらに、ヒットするブラックバスのサイズも、大きい傾向がある。 どうしてもサイズアップを狙いたい、という場面でも活躍してくれるだろう。

ビッグベイト

   ビッグベイトとは、「大きなルアー」を指す。元々は、大きなソフトルアーの意味も含んでいたが、現在では、大きなハードルアーを指すことが多い。

   ビッグベイトの使用時期は、スポーニングシーズン(産卵期3月〜初夏)が最も有効であるとされている。

  シャローエリアにある巣を守るオス、産卵に望むメス、そのようなブラックバスに対して、ビッグベイトは外敵に映るのだろう。まるで、命を懸けて挑んでくるようなバイトを見せる。 釣り人の、魚に対するモラルが問われることもあるが、このようなパターンもある。もちろん、スポーニングシーズン以外でもビッグベイトは活躍する。

   アクションのポイントは、他のルアーとほとんど同じである。トップウォーターのように扱ってもよし、クランクベイトのようにただ巻きで扱ってもよし。どのようなアクションが効果的か、明確な議論は少ない。まだまだ、未開拓のルアーであろう。

   しかし、その釣果は本物。実際に、ブラックバスは釣れるのである。しかも、そのサイズはほぼ、40cmUP。百発百中というわけではないが、でかバスがヒットする確率は極めて高い。大物を何としても手にしたいという方は、是非使っていただきたい。

   ただし、ビッグベイトを使用する際は、その重さから専用ロッドを必要とする。

   (例)ビッグベイト用ロッド
  ロッドの長さ:7.3フィート  ルアー重量上限:3oz.  推奨ライン:14lb〜30lb

  もちろん通常のロッドでも扱えないことはない(私は実際に、普通の安価なベイトロッドで3ozのビッグベイトを用い、50cmUPランカーバスをキャッチしたが、何ら問題はなかった)が、専用ロッドを用いればさらなる釣果を望めるだろう。リールも通常のもので問題はないが、ラインはできれば14lb以上のものを使いたい。ラインの種類はナイロンラインか、PEラインが良いだろう。


   (例)basstank管理人のビッグベイト用タックル

  ロッド:ティムコ フェンウィック ELT-73CXHJ
  リール:シマノ カルカッタコンクエスト200
  ライン:ナイロン 20lb

  ※管理人コメント
  値段もお手頃で、ウッドグリップに惚れました。やはり、専用のロッドの方が、キャストのしやすさ、 アクションの付けやすさ、全てにおいて上を行きます。また、ビッグベイト以外に、ヘビーな蓮の葉エリアを 攻略する際の 「フロッグ」用としても、使っています。その他、ラバージグでも使ったり、テキサスリグで使ったり…その汎用性はとても高いです。ロッド自体の重みもほとんど気になりません。皆さんのタックルに一本、ビッグベイト用のロッド。いかかでしょうか。


   また、ビッグベイトのタイプにも様々なものがあり、ジョイントタイプ(関節があるタイプ)、リップレスタイプ(口ばしのような、水の抵抗を受けるパーツがないタイプ)、ソフト素材(テールの部分)も取り入れたタイプなど様々である。

   なお、このような報告もある。

  「50cmのブラックバスにとって、35cm程度の魚なら餌になる」というものである。実際に、50cmのブラックバスを釣り上げた瞬間、そのバスが、消化されかかった35cmのブラックバスを吐き出したという。

   現在市販されている主なビッグベイトで大きなものは、全長25cm前後。ランカーバスの餌には、あと10cmも足らない。

   人により好みも多様だが、タックルケースに一つは、ビッグベイトを忍ばせておきたいものである。


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